「キャベツ」と「レタス」栄養価が高いのはどっち?使い分けのポイントは?管理栄養士が回答!
同じ葉野菜で見た目が似ているキャベツとレタス、違いはご存じでしょうか?この記事では両者の栄養素の違いから見た使い分け方を管理栄養士が解説します。 <写真>「キャベツ」と「レタス」栄養価が高いのはどっち? ■レタスとキャベツは何が違う? レタスとキャベツは同じ葉野菜であるものの、味に明確な違いがあります。レタスは生でサラダとして食べられることが多いですが、苦みがあります。レタスの茎を切ると白い液体が出てきますが、これがレタスの苦み成分であるラクチュコピクリンと呼ばれる物質です。一方キャベツは生でも加熱でもよく食べられて甘味があり、レタスに比べて活用方法が幅広く、様々な料理に活用されていますね。 100gあたりの主な栄養素を比較してみると以下のような違いが出ます。 キャベツ(生):レタス(生) エネルギー:キャベツ15kcal/レタス11kcal たんぱく質:キャベツ1.2g/レタス0.6g 脂質:キャベツ0.1g/レタス0.1g 炭水化物 :キャベツ5.2g/レタス2.8g 食物繊維:キャベツ1.8g/レタス1.1g レタスもキャベツも大差はありませんが、若干キャベツの方が栄養素が高めです。レタスは95%が水分からできています。キャベツも90%以上が水分ですが、レタスよりもやや少ないのでこのような差が出てきます。またレタスと言うと、食物繊維レタス○○個分という表現があるように食物繊維が豊富なイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし含有量はさほど多くなく、むしろキャベツよりも低いと言えます。 ■キャベツの特徴的な栄養素は? キャベツの注目すべき栄養素はカルシウム、マグネシウム、ビタミンKです。カルシウムは骨や歯の形成に欠かせない代表的な栄養素ですね。しかしカルシウム単体で骨を作ることはできず、様々な栄養素の助けが必要になります。カルシウムの吸収を助ける栄養素のひとつがマグネシウムです。キャベツは骨を効率よく作るために必要なカルシウムとマグネシウムがバランスよく含まれています。またビタミンKもカルシウムの吸収を助けるので、骨の健康に欠かせないミネラルが揃っています。その他の特徴的な栄養素はキャベジンと呼ばれる栄養素です。ビタミンに似た働きを持つことからビタミンUとも呼ばれており、胃の健康を保つ成分として注目されています。 ■レタスの特徴的な栄養素は? レタスにはβカロテンがキャベツの10倍多く含まれています。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や目の健康を保ったり、抗酸化作用を持つことでも知られています。ビタミンAは脂溶性のビタミンなので油との相性も良く、加熱にも強いビタミンです。レタスにはリーフレタス、フリルレタスなど種類が豊富ですが、葉が開いた種類のものの方が一般的に栄養価が高いと言われています。 ■レタスとキャベツ、栄養豊富なのはどっち? 相対的な栄養素の量を見ると、キャベツの方が栄養価は高いと言えます。ビタミン、ミネラルが豊富なだけでなくキャベジンという特有の栄養素も含むことから胃の健康を保ちたい時にもおすすめです。一方レタスはキャベツより多くのβカロテンを含み、健康と美容に欠かせない栄養素が豊富です。それぞれに良さがあるので自分の好みや目的に合わせて使い分けられると良いですね。 ■レタスとキャベツ、代用は可能? レタスとキャベツは栄養価や味は違うものの、シャキシャキとした食感が似ており代用は可能です。レタスは生で食べられることが多いですが、加熱に強いβカロテンが豊富に含まれているので加熱料理にも適しています。火を通しすぎると食感が損なわれるので、調理の最後に加えてサッと炒めましょう。キャベツもご存じの通り生食、加熱共に可能なので、栄養価、手に入れやすさなど、目的や状況に合わせて使い分けられると良いですね。 【参考文献】 キャベツ|とれたて大百科|食や農を学ぶ|JAグループ (ja-group.jp) レタス|とれたて大百科|食や農を学ぶ|JAグループ (ja-group.jp) ビタミンについて - 「 健康食品 」の安全性・有効性情報 (nibiohn.go.jp) ビタミンK - 「 健康食品 」の安全性・有効性情報 (nibiohn.go.jp) ビタミンA - 「 健康食品 」の安全性・有効性情報 (nibiohn.go.jp) 食品成分データベース (mext.go.jp) ライター/田中ひろか(管理栄養士)
田中ひろか