[MOM4917]大津FW山下景司(3年)_プレミアWEST得点ランク1位、実力発揮でハットトリック
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [11.9 選手権熊本県予選準決勝 大津高 8-0 ルーテル学院高 水前寺] 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 エースストライカーの面目躍如だった。大津高は、高校選手権の熊本県予選、準決勝でルーテル学院高に8-0で快勝。FW山下景司(3年)は、3得点のハットトリックを達成した。 試合の立ち上がりに右サイドを破った仲間からのラストパスを押し込んだ場面は、オフサイドの判定でノーゴールとなったが、前半12分、相手の最終ラインにプレスをかけ、ボール奪取からGKとの1対1を決めて先制点をマーク。後半14分にはPKで追加点。最後は、後半19分に自ら最終ラインを突破し、左に流れてGKをかわし、逆サイドのポスト際にボールを流し込んでチームの4点目を奪った。 山下は「(勝敗に大きく影響する)先制点も冷静に決めることができたし、GKとの1対1を2点決めれたのは、良かった。PKも落ち着いて決めることができた。でも、あと1、2点、決められる場面があったので(決勝戦に向けて)もっとこだわって、1週間、準備をしたい」とゴールショーを振り返った。 後半21分に交代するまでの時間で、しっかりと役割を果たした。山城朋大監督は「本当に、点を取るためだけにサッカーをやっている選手。オフサイドで(幻の)1点目は取り消されてしまいましたけど、取り出すと止まらない。本当に心強い」と信頼を寄せる。 山下は、点を取るのが好きでサッカーを始め、小学生の頃からFWでプレーし続けている、生粋のストライカーだ。「得点の欲と、チームに貢献するプレーのバランスは、まだまだ。今日も(不用意に)突っ込んでしまったり、仕掛けるべきではない場面で行ってしまってボールを奪われたりした。そのバランスの部分は、もっと成長できる」と課題も感じているが、今季は、首位を走るプレミアリーグWESTで17ゴールを挙げ、得点ランク首位を走っている。 開幕戦で2得点を決めると、5月のサガン鳥栖U-18戦で4得点、帝京長岡高戦で2得点、6月の静岡学園高戦でハットトリックなど、山城監督の言葉を裏付けるように、1試合での複数得点も多く、ゴールを量産している。 山下は「後期は(得点の)ペースが落ちているけど、前期は、チームの調子が良くて、思い描いていた以上に点が取れた」と話したが、リーグ戦での目標として掲げた20得点まで、あと3点。残り3試合で目標達成を狙える状況になっている。 Jユースなど強豪ひしめくプレミアリーグでの結果は、自信を生む。「フィジカル的に、スピードがついてきていると実感している。1人で打開できる場面は、成長したかなと思う。相手を背負いながらでも、ターンを仕掛けられるようになってきた。自信を持って、自分からそういう場面に持ち込めている」と話したように、山下は、得点のイメーを以前よりも膨らませている。 大津は、プレミアリーグWESTで首位を走り、優勝は目の前にある。高校選手権の県大会を突破すれば、プレミアと高校選手権の全国2冠が見えてくる。ただし、油断は禁物だ。山下は「ほかの県で、プレミアリーグのチームや全国大会常連のチームが負けているのは、他人事ではないと感じている。インターハイでも県大会の決勝は、厳しい戦い(後半終盤に追いつかれ、延長戦で勝利)になった。しっかりと準備をして、ゴールを決められるように頑張りたい」と意気込みを語った。準々決勝で2得点、準決勝で3得点。狙うのは、チームを全国大会に導く3戦連続のゴールだ。決勝戦の相手は、東海大熊本星翔高に決まった。テクニカルな相手に対し、プレミア首位の実力と、プレミアゴールランク首位の得点力を見せつけられるか。点取り屋の動きから、目が離せない。 (取材・文 平野貴也)