お茶生産量日本一の静岡県…“お茶ばなれ”憂慮の一方で外国人観光客を魅了する“静岡茶”の最前線
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
近年の“お茶ばなれ”といわれる状況は、お茶の生産量日本一の静岡県にとって深刻な問題です。こうしたなか、海外から県内にやってきた外国人観光客に目をやると“静岡茶”に魅了される姿がありました。 5月、清水港に寄港した「セレブリティ・ミレニアム」。この豪華客船からおりてきた人たちが向かったのは…。 (外国人観光客) 『すばらしい体験です』 静岡市清水区にある「日本平お茶会館」。ここでは富士山の見える絶景の茶畑で茶摘み体験ができます。お茶の葉の香りをかいだり写真を撮ったりと茶畑を満喫。そして、みなさんが楽しみにしていたのが…。 (外国人観光客) 「ティータイム」 (外国人観光客) 『本当においしい』 (外国人観光客) 「おいしい」 抹茶や煎茶を堪能した後店内では、お茶を買い求める人の姿が…。中には「玉露」や「ほうじ茶」など種類にこだわって購入する人も。 (アメリカからの観光客) 『ほうじ茶、緑茶、和紅茶』『お茶が大好き』 『普段からお茶を飲んでいます』『試飲しておいしかったから買った』 (カナダからの観光客) 『家族や友達へのいいプレゼントになると思ったから買った』『カナダのお茶はこれほどおいしくないわ』 “お茶好き外国人”に、より深くお茶の魅力を知ってもらうため行われているのが「茶農家訪問ツアー」です。 (外国人観光客) 「ビューティフル」 『とてもすばらしい』 このツアーを行っているのが静岡市葵区内牧にある「森内茶農園」。2024年の4月から6月までの間に、約110人の外国人観光客が訪れた人気のツアーです。この日はスウェーデンとハンガリーから観光に来た“お茶好き”が参加。 (ハンガリーからの観光客) 『お茶が好きで母国でもよくお茶を飲んでいます』『緑茶、特に抹茶が好きでここではあらゆる種類の抹茶を飲んだわ。抹茶ラテ、抹茶ティラミスなどどれも本当に好きだわ』 茶畑を見学したあとは、日本茶インストラクターからお茶の詳しい説明を聞きながらの試飲。茶葉に水を入れて、お茶 本来のうま味を感じることができる“ツウ”な飲み方を体験。 (スウェーデンからの観光客) 『豊かな味わいね』 (スウェーデンからの観光客) 『うまみを感じる』 さらには品種ごとの違いを楽しむ飲み比べも。 (スウェーデンからの観光客) 『ウィスキーのようにいろいろ飲めば味の違いがわかるようになるの?』 (日本茶インストラクター) 「同じやぶきたの品種であっても、違う生産者の方や違う産地だと違った味わいになる、たくさん飲むと微妙な違いもわかってきます」 (スウェーデンからの観光客) 『さえみどりとやぶきたがおいしいかった。うま味を感じます』 (記者) Q.「普段からお茶は飲む?」 (スウェーデンからの観光客) 『もちろん』 『彼はね』 『玉露、そして、煎茶、なかでも新茶がいいね』 (ハンガリーからの観光客) 『日本茶がどのように摘まれて製造され、どうやって飲んでいるのか知りたかった。とてもいい経験になった。これからは家でお茶を飲むときにいれ方に気をつけていただくわ』 緑茶の輸出は年々増加していて2023年は292億円。健康志向や日本食への関心が高まり抹茶を含む、粉末茶の需要が拡大しています。そのなかで、茶の輸出量の全国1位は静岡県。県内のお茶が世界に広がっています。 約8割の製品を海外向けに製造している島田市にある「杉本製茶」。近年の抹茶ブームが追い風となり、2019年には総工費5億円以上をかけて抹茶工場を新設しました。 (杉本製茶 海外事業部 川口 知孝さん) 「抹茶がグローバルなブームになって、世界中で幅広い世代の方に親しまれている」 こちらでは抹茶をはじめ急須でいれるリーフ茶も人気で、アメリカやカナダなど22か国に輸出しています。 (杉本製茶 海外事業部 川口 知孝さん) 「海外の方の方が本当のお茶の良さをわかってくれているという現実があって、高いお茶でも価値を見出してお金を払ってくれる方が海外のマーケットにはまだいる」 海外が評価するお茶の魅力を、日本でも再認識してほしいといいます。 (杉本製茶 海外事業部 川口 知孝さん) 「緑茶ほどイケてるビジネスないぞってことを、もっといろいろな方に知ってほしいなと思っている。静岡、島田市で作ったお茶が世界中に届けられる。それを飲んでくれる人が世界中にいる」「日本の本物の日本茶は日本でしか作れない世界に誇れる製品だと思う。もっともっと若い人たちに気づいてほしいですし、お茶に関わってみたいという方が一人でも増えれば、本当に最高かなって思っています」