「好立地でも買い手なし」ソウル交通公社のオフィス、売却難航…高価格に政治不安が影響か
【12月16日 KOREA WAVE】ソウル交通公社が赤字問題を解消するため売却を進めている「龍山セントラルタワー」オフィスの一部が、数年にわたって買い手を見つけられずにいる。韓国資産管理公社(オンビッド)によると、ソウル市龍山区漢江路3街に位置する「龍山セントラルパークタワー」の17~21階部分(5フロア、49室、9189㎡)を対象とした第3回売却公告が11日も入札者ゼロで流札となった。 今回の売却は最低価格を658億1171万ウォン(約66億円)に設定し、以前の719億ウォンから60億ウォン以上値下げされたにもかかわらず、入札者は現れなかった。専門家は「最低入札価格が依然として高すぎる」と評価する一方で、最近の政治的不安定が投資心理を冷却させたと指摘している。 特に、3日のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の「非常戒厳」宣布と「弾劾政局」が投資環境に悪影響を及ぼしているとの見方が強い。経済的な不確実性が高まる中、投資家たちはリスクを避ける傾向にあるという。 売却条件として、入札者は最低価格の5%以上の入札保証金を納付し、落札者は契約後1カ月以内に中間金として40%、2カ月以内に残額の50%を支払う必要がある。しかし、現地のオフィス市場が長期間低迷していること、加えて政治的リスクが浮上していることから、今後の売却も価格をさらに引き下げない限り難航するとの予測がなされている。 オフィス不動産市場は一時、基準金利引き下げの期待感により回復の兆しを見せていたが、現在の政治的不安定が再び市場の停滞を招いている。業界関係者は「いくら好立地の物件でも、現行の価格設定では投資リターンが見込めない」と述べ、状況が改善されるまで売却の成功は見込みづらいとの見解を示した。 ソウル交通公社は2020年からこの物件の売却を進めてきたが、今回を含めて何度も流札を経験している。今後の再売却が実現するかは不透明なままだ。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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