第29回東京国際映画祭 ラインナップ発表会見に細田守監督、蒼井優らが登壇
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第29回東京国際映画祭のラインナップ発表記者会見が26日午後1時から行われた。ゲストには「コンペティション」部門に出品される「アズミ・ハルコは行方不明」の松居大吾監督と主演の蒼井優、「雪女」に出演の青木崇高、監督特集「細田守の世界」からは細田監督が登壇した。
蒼井は主演のオファーを受けたとき「主演で映画の話が来たと事務所の方から言われたときに主演だけど行方不明なのか、とこれは楽かもしれないと思いました。でも、意外と出番が多く、そんなに甘いものではなかったです。出演しようと思ったのは原作が面白かったからです。原作者の山内マリコさんが女性だからこそ女性のひどさ、情けなさ、たくましさがわかり、多くの女性に“イタタタ……”と思いながら見ていただけると思いました。女性の脛(すね)の傷が愛おしく感じる作品だと思います。女性が見るのと男性が見るので感想や受け止め方が異なると思うので、これは面白いと思いました」と言って会場を沸かせた。松居監督はこの作品に賭ける思いが非常に強く、ほかの映画祭からの出演オファーがあった蒼井の出演を説得し、コンペティション作品に選ばれたことを嬉しそうに語っていた。 青木は「日本人であれば大体知っている『雪女』なんですが、また深い解釈があり、人間の深さを知られる深い作品になっていると思います。外から見た日本を、日本人の監督が描いていて、東京国際映画祭で上映されるというのがなんだかとても感慨深いものだなと思います」と話した。
細田監督は、監督特集として20年にわたる創作の軌跡をたどる10作品が一気に上映される喜びを語った。 「一番最初の『劇場版 デジモンアドベンチャー』という映画から17年もたってしまったという……。非常によい状態で上映していただけると聞き楽しみです。子供向けと限定して思われることも多いですが、もっと可能性があるのではないか。今までに描かれなかったことをアニメーションという技法をつかって表現することをやってきましたし、今後もしていきたいです。このようにまとまって上映される機会は初めてで、光栄だなと思っています。自分自身の過去作品を見返すことはないのであらためて見にきてくださるお客さんと一緒に未来の作品について話し合っていけたらいいなと思います」