地震で傾いた体育館、大会は中止に… 「思いっきりバスケしようぜ」 被災高校と交流、悔しい気持ち受け止め招待し練習試合
地震の影響で北信越大会中止、長野吉田高で4日に練習試合
「思いっきり、バスケをしてほしい」。長野吉田高校(長野市)男子バスケットボール班が4日、能登半島地震で体育館が被災して練習するが困難になった新潟県立新潟工業高校(新潟市)男子バスケ部を招待し、練習試合をした。今月10、11日に石川県で予定され、両校が対戦する可能性があった北信越大会は地震の影響で中止に。これまでも交流があり、実力を認め合うチーム同士で全力を出し合い、互いのプレーをたたえた。
新潟工のある新潟市西区は1月1日、震度5強の揺れに襲われた。同校敷地は液状化し、体育館の床が沈んだり傾いたりし、学校が再開した今もシュート練習も満足にできない状況という。両校は昨年も練習試合をするなどかねて親交があり、長野吉田のバスケ班顧問荒木志勇人(しゅうと)さん(36)が新潟工の被災を知り、長野吉田の体育館を練習に使ってもらおうと申し出た。
1月の県大会はそれぞれ新潟県3位、長野県2位で、開催されればともに北信越大会に出場するはずだった。この日の練習試合では、高身長を生かしたプレーを繰り出す新潟工に、長野吉田は粘り強いディフェンスで対抗。一進一退の攻防で強豪らしい気迫あふれるプレーが光った。
新潟工側はこの日、約3時間かけてマイクロバスで長野市入りした。2年の宮原飛優(ひゆう)主将(17)は、被災後思うような練習ができず「チーム皆が悔しい気持ちだった」と振り返り「相手に感謝しかない。今できることをして少しでも前に進めるよう頑張りたい」。長野吉田2年の飯塚雅仁主将(17)は「大変な状況だと感じさせない力あるチームだった」とし、被災について「同じ高校生として人ごとではない。大変だが頑張ってほしい」と話した。
長野吉田バスケ班は北信越大会が予定されていた11日、石川県を訪れボランティアを行うつもりだ。