「投手、野手ともに、まずはキャンプを通じた底上げを」OB大野豊が語る来季カープの展望
秋季練習、日南秋季キャンプと、来シーズンに向け動き出した新井カープ。今季の悔しさを晴らすため、そして春季キャンプ一軍入りをつかむため、若手を中心に秋は鍛錬の日々を過ごしてきた。 【写真】レジェンド・大野豊氏の背番号を受け継いだ、若手左腕 ここでは、カープOB・大野豊氏が、秋季キャンプからオフの過ごし方、そして春季キャンプに向けての課題と期待を、独自の目線で解説する。(データは全て11月16日時点、全2回/第1回) ◆個々の課題と向き合い、投打両面の底上げを プロ野球は来シーズンに向けて秋季キャンプ、そしてオフの期間を迎えます。カープが来年に向けて取り組むべきは、やはり打撃力の向上でしょう。秋季キャンプは練習に加え実戦形式も多かったと聞きましたが、これは、練習に加えて実戦のなかでも選手たちを鍛えようという首脳陣の意向だと受け止めています。秋季キャンプに参加しているのは若い選手がメインですから、まずは練習で基礎を鍛え、実戦のなかで課題を解消するための何かをつかんでくれたことを期待したいと思います。 2024年シーズンを振り返ると、二俣翔一や中村奨成、韮澤雄也や大盛穂といった選手たちがチャンスをもらっていましたが、守備や走塁の面では不安がない選手であっても、やはり打たないことにはなかなか起用してもらえません。シーズンの最終戦に出場した、内田湘大や仲田侑仁といった若手たちも、秋季キャンプ、春季キャンプを通じて一軍のレベルで戦うことのできる力、とくに打撃の面での底上げをしてくれることを期待したいと思います。カープはここ数年、得点力不足が常に課題として上がっていますから、野手陣に関してはいかに打撃力を上げていくかが非常に大切だと思います。 投手陣に関しては、夏場以降、そろって不調に陥ってしまったという先発陣の課題をいかにクリアしていくかが、シーズンを通して戦ううえでの課題ではないかと思います。 ただ、選手の入れ替わりがあったにせよ、投手陣の顔ぶれは他球団から見ても引けをとりません。来シーズンは肘の手術を経た栗林良吏の復活も期待したいですし、今年成長を見せた黒原拓未もいます。黒原に関しては、今後は先発で起用するという考えも当然あるでしょうから、ここからしっかりアピールして、先発陣に割って入っていってもらいたいですね。 今年は投手陣が好調であっても、なかなか援護がつかず勝てなかったという試合も多くありました。投手からすれば気の毒な面もありますが、そこを我慢しながら粘り強く投げるのもまた、投手の仕事の一つです。全体を見ても力はついてきていますから、来シーズンは、今年以上の結果を求められるでしょう。「昨年はあんなに良かったのに、今年はどうしたんだろう」と言われないように、それぞれの投手が個々の防御率を少しでも下げていくイメージで取り組んでもらいたいと思います。 (第2回へ続く)
広島アスリートマガジン編集部