「先代は豪華だった」市川團十郎のコンパクト襲名興行に嘆かれる、父子の“器の大きさ”の違い
自分の舞台を映像に残したくない
元来、團十郎率いる成田屋は、荒事と呼ばれる豪快な演目を得意とする一門。先代の持っていた大きな度量は、芸が加味されて強い持ち味になったという。 「細かいことを気にせず、大きく構えるところも頼りがいがあって、周囲からの人望は厚かったです。晩年は白血病と闘いながらも舞台に復帰して、観客を感動させる役者に成長していました」 対しての当代團十郎は─。 「かなり他人の評価を気にするタイプです。『衛星劇場』という有料チャンネルに歌舞伎の舞台を放送する番組があるのですが、“自分の舞台が映像として残ると批判される”という考えから、本人の希望で当代の出演舞台は放送NG。自身が出ている舞台の配信やソフト化も嫌っています。不器用と言われながらも修業を続けた先代とは正反対です」 大規模な興行を行うためには、それに見合った大きな心が必要なのかも。