女性同士の「子どもがいる」マウンティングにモヤモヤしたらどうすべき?
友人や同僚からの些細な言葉から「マウンティングされた?」と少し傷ついてしまうことは多いもの。論文『マウンティングエピソードの収集とその分類』が話題となった、臨床心理学者の森裕子さんとともに「マウンティング」について考えていきます。 【画像】女性同士のマウンティング <マウンティングとは?> 主に女性同士の関係性の中で「自分の方が立場が上」であると思いたいために、言葉や態度で自分の優位性を誇示してしまう現象を指し、近年注目されている。(『マウンティングエピソードの収集とその分類:隠蔽された格付け争いと女性の傷つき』より)
今すぐ子どもが欲しいわけではないけど、「子どもがいる」マウントにモヤモヤしたら?
――曖昧であるからこそ「傷つき」を認識しにくく、対応も取りづらい…。確かに、マウンティングには、繊細さによって受け取り方が違うからこその難しさがあるように感じます。それでは、私たちは日々のマウンティングに対し、どう対処していけばいいのでしょうか。 森さん:まずは言語化してみるといいと思います。自分の中で考えたり紙に書いたりすることをまずやってみる。モヤモヤという曖昧な言葉に留めず、自分の感情を言葉にしてみる。 「豪華な婚約指輪を見せられたとき、普通の婚約指輪をもらった私が下の立場にいるような気持ちになった」「つまりあのときマウンティングだと感じたんだ」「だから嫌だったんだ」ということを、言葉で認識できるといいですね。何もわからないまま嫌な気分を抱えているよりも、楽になれるはずです。 ――なるほどです。例えば、今の自分とはちょっと離れた事柄についてのマウンティングを感じたときは、また違った対応があるのでしょうか。「今すぐ子どもが欲しいわけではないけど、子どもの写真が送られてくるとちょっとだけモヤっとしてしまう…」みたいな気持ちに対しての対処の仕方が知りたいです。 森さん:先程の「気持ちの言語化」に加えて、そのマウンティングに関連することについて、自分は今どうしたいのか、今後どうする予定なのか等、人生計画や考え方まで言語化できるといいのかなと。 自分の現状と希望を言語化して整理する。まずは「子どもがいることに憧れた」とはっきり言語化してしまう。 さらに「相手もただ子どもを見せたかっただけでマウンティングの意図はなかったのかもしれない」ととらえ直してみる。そして「でも今は仕事を頑張りたいから、今のところ子どもを産むことは考えていない」「もし産むとしてももう少し後にすると決めている」と自分の考え方を再確認する。 そうやって、整理し、納得する過程を作るだけでもモヤモヤの度合いは変わると思います。 また、言語化にセルフモニタリングを追加するとさらにいいですね。まず、どの分野の話をマウンティングと捉えやすいか。それは今だけのことなのか、ずっと気になるのか。 「最近仕事が忙しくなって余裕がない」みたいな、状況や体調に左右されてマウンティングを感じやすくなることもありますから、体調面や心の余裕についてもモニタリング。自分の特徴や状態を知っておくと、防御もしやすいですよ。