新OSアップデートでガラリ変わる「iPad」の機能 ジョブズが“ボツ”にした「計算機」がついに搭載
といっても、起動直後の計算機はiPhone向けのそれを単純にiPadの画面サイズに合わせて引き伸ばしただけのように見える。ジョブズが怒りのあまり墓場から出てくる……新機種やアプリのデザインが期待外れだったときにSNSでしばしばつぶやかれるフレーズだが、これだとなぜiPad向けに搭載したかがよくわからない。 一方で、1回ボタンをタップするとiPadの広い画面を生かした機能を呼び出すことができる。他のアプリと同様、計算機にも画面を分割して2行表示する機能があり、左側に計算の履歴を表示しつつ、右側で実際の計算をすることが可能。計算した結果を次の計算に使いたいときなどには、履歴をすぐに参照できて便利だ。
また、iPadOSの計算機にも、「計算メモ」と呼ばれる新機能が搭載されている。メモという名のとおり、これは手書きを認識する。認識した計算式に基づき、自動的にその結果がはじき出される。同じ機能はiOS 18にも搭載されていたが、iPhoneの場合、横幅が短いため、少々式が書きづらかった。横位置で使うことも多いiPad向きの機能といえるだろう。 さらに、iPadであれば、現行モデルの全機種がApple Pencilに対応している。指で計算式を書くしかないiOSの計算メモに比べ、細かな文字を書きやすいのがiPadならではのメリットだ。計算のプロセスが複雑になるようなときには、電卓で1つ1つ文字を入力していくよりも操作が簡単で、入力ミスなども防ぎやすい。共通の新機能ながら、iPadでこそ活躍するといえそうだ。
■手書き文字を見やすく編集できるスマートスクリプト Apple Pencilで手書きできることを生かした新機能は、ほかにもある。メモアプリの「スマートスクリプト」が、それだ。これは、ユーザーの手書き文字を生かしつつ、より読みやすくするためのもの。英語しか認識しないようなものもあるが、日本語を書いたときに利用できる機能も用意されている。 元々メモアプリには、手書き文字を認識し、フォントに置き換える機能はあったが、これだとキーボードで打つのと変わりがなくなってしまう。手書き文字の“味”のようなものを残しつつ、より見やすく、キレイに手書きを整えてくれるというのがスマートスクリプトを使うメリットだ。