【流行語大賞】光と闇混在…大谷翔平や五輪輝く 国民の不安も反映/ノミネート
今年を代表する言葉を選ぶ「現代用語の基礎知識選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が5日、発表された。 【写真】フリーマンの妻「夢がかなったわ」長男と大谷翔平のツーショット 日本選手団が大活躍したパリオリンピック(五輪)やドジャース大谷翔平投手(30)に関する言葉が選ばれる一方、国民を怒らせた「裏金問題」や、社会を震撼(しんかん)させている闇バイトによる「トクリュウ」「ホワイト案件」など、憤りや不穏さが渦巻く世相を反映した言葉も多く入った。トップ10と大賞の発表は12月2日。 ◇ ◇ ◇ 元日に能登半島地震が発生し、連日報じられる凶悪強盗事件に国民の不安が深まり続ける2024年。30の言葉には世相を反映する重い言葉も多く含まれた。 国民が物価高に苦しむさなかに表面化し、衆院選で自民党が少数与党に転落するきっかけとなった「裏金問題」。政権維持のため、衆院選で躍進した国民民主党にすり寄るような姿勢がにじむ自民党だが、国民の信頼回復には至っていない。政府のごり押し方針で、こちらも国民の不安が消えない「マイナ保険証一本化」も選ばれた。 SNSで集められた匿名の実行役による「匿名・流動型犯罪グループ」の略称「トクリュウ」と、闇バイト募集時に合法性を強調する誘い文句の1つ「ホワイト案件」の2語は、首都圏などで頻発する一連の強盗事件の象徴語。警察庁が、犯罪に加担しないよう呼びかける動画を公開する事態にもなっている。 不足だけでなく価格高騰にも国民が戸惑った「令和の米騒動」や、消費者などによる理不尽なクレームや嫌がらせを指す「カスハラ」のほか、インバウンド客の急増を受けた「インバウン丼」や「コンビニ富士山」も選ばれた。 事務局は、今年の傾向を「1月に能登半島地震が発生し暗いニュースからのスタートとなったが、オリンピック、大谷選手の活躍、ダンス動画関連のヒットなど話題は数多くみられた。流行語としては、小粒がそろったと思われる」と分析しつつ「『お金』にまつわる用語が数多く発生。責任をもたない風潮の世の中、光と闇が混在した年であり、嵐の前の静けさを感じさせる」と指摘している。 ○…スポーツ界からは、さきのワールドシリーズで世界一に輝いたドジャース大谷翔平が達成した、前人未到の記録「50-50」も選出された。大谷関連は21年にも「リアル二刀流 ショータイム」で年間大賞に輝いている。パリ五輪・パラリンピックからも多く選出。総合馬術団体で92年ぶりに銅メダルを獲得した平均年齢41・5歳の「初老ジャパン」のほか新競技「ブレイキン」や、やり投げ金メダル北口榛花の「名言が残せなかった」、車いすテニスの小田凱人が金メダル獲得後に発した「やばい、かっこよすぎる俺」などが選ばれた。 ◆ユーキャン新語・流行語大賞 1984年(昭59)に創設され、時代を反映する言葉を振り返る年末の恒例行事。審査委員会が毎年12月上旬にトップ10と年間大賞を選ぶ。昨年はプロ野球の阪神岡田監督の「アレ(A・R・E)」が年間大賞に選ばれた。