SUPER EIGHTの丸山隆平、“泣くのは苦手”も心境変化「ノーガードで相手の言葉を受け取りたい」
「SUPER EIGHT」の丸山隆平(40)が、舞台「ハザカイキ」(22日まで、東京・新宿シアターミラノ座)で主演を務めている。2週連続インタビューの前編では、本作で感じている葛藤や「中毒性を感じている」という俳優業の面白さ、不惑を迎えた思いを語った。 取材部屋に入ると、昨年誕生した自身の持ちギャグ「スポーツ報知!」をコミカルな動きで披露。「いつもお世話になってますぅ~」とサービス精神満点にあいさつしてくれた。ただ、今の丸山は柔らかさや明るさだけではない、研ぎ澄まされた空気感をまとっている。 主演舞台「ハザカイキ」で、人気タレントの熱愛スクープを追う芸能記者・菅原役を演じており「いつもは僕が週刊誌に撮られる側。なので、撮られる側の人間が、撮る側を演じるって難しいけど面白い」と試行錯誤の日々を過ごしている。 取材中は記者に「人見知りな方ですか?」「芸能記者さんの仕事ってどうですか?」と逆質問。自身の行動も「このタイミングで水を飲むってちょっと自分のテンポではおかしいんです。でも菅原ならあり得るかもしれない」と分析する。 「なかなか撮る側の気持ちって最初は分からなかったけど、だからこそ自分や周りの人の言動の動機とかにも敏感になってます。菅原も記者としての志がありながら、食べていくためにコタツ記事とかも書かざるを得ない葛藤もある。人の数だけ正義、目に見えない疑問、怒りがあると最近はそんなことばっかり考えてます。疲れますけど、でもその分ご飯がおいしいです」 デビュー前から数多くの舞台に出演してきたが、本作をきっかけに役のアプローチに変化もあった。 「僕は、セリフと同時に気持ちを入れないと役に入り込めない。恥を忍んで言うと、セリフ覚えが遅いんです。今回そのことで、ある共演者の方からお叱りを受けて目が覚めました。僕は曖昧なところでやりたいけど、周りがやりにくいんだったら変えるべきだなと。作品は皆で作っていくものだし信頼関係あってこそ。相手のセリフを受け取って僕がどう動いてしまうのか、無意識レベルに役を落とし込めるようになりたいです」 喜怒哀楽を表に出すムードメーカー的なパブリックイメージもあるが、「泣くのは苦手」と蓋をしてきた感情もある。 「ちっちゃい頃から『泣くのが正義じゃない。泣くんじゃなくて次のことを考えなさい』というのが親の教えで。よく千秋楽で泣いている人を見て『すっごいきれいな涙だなぁ』とジーンとして、『自分もあんなふうに泣けたら』と憧れはあるんです。でも僕は『無事に終わって良かったけど次の仕事あるかな』と不安になったりもして。泣くということにストッパーを小さい頃から作ってしまった」 芝居の時は自然とこみ上げるものを感じている。 「お芝居で素直に泣けたりとか、怒れたりとかした時に『こんな気持ちになるんや』と、すごく感情が立体的で不思議で楽しい。苦しさも葛藤も発見も目まぐるしく起こって中毒性があります。今はもっとよりノーガードで相手の言葉を受け取りたいと思っています」 昨年11月に40歳となり“不惑”を迎えた。「いやぁ~、迷いもありますよ。特に去年はいろんな決断を強いられた時期があったんで。より自分でハンドルを切らなきゃいけない状態になって、自分という人間の価値を考えるようになっています」。40代に突入してアイドルを続ける意義、グループやファンへの思いを静かに語り始めた。=後編に続く=(奥津 友希乃) ◆丸山 隆平(まるやま・りゅうへい)1983年11月26日、京都府生まれ。40歳。2002年結成の関ジャニ∞のメンバーとして、04年「浪花いろは節」でCDデビュー。11年「ギルバート・グレイプ」で舞台単独初主演。14年「地獄先生ぬ~べ~」でGP帯連続ドラマ初主演を果たす。17年「泥棒役者」で映画単独初主演を務めた。24年2月、グループ名を「SUPER EIGHT」に改名。
報知新聞社