「一度消失した細胞は再生しません」1週間・40時間以上、大音量で聴き続けると耳の感覚細胞が劣化
そして、最低でも年1回、健康診断で聴力検査を受けること、耳の不調や違和感があれば、躊躇せず早めに耳鼻咽喉科を受診するなど、自分で判断せず医師、専門家に頼ることも大切だ。 「今は患者数が多くはないですが、今後はもっと増えることが予想されます。イヤホン使用の多い働き世代はもちろん、動画視聴やゲームなどで多用している小中学生、高校生などの子どもたちもリスクにさらされています」 臨場感や没入感があり、仕事で集中したいときやエンタメを楽しみたいときに活躍してくれるヘッドホンやイヤホン。便利な反面、このような弊害があることも事実。ある日突然「聞こえない…」と焦らないために、1日も早く、イヤホンの使い方を見直してみてはどうだろう。 松延毅(まつのぶ・たけし) 日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学准教授。日本医科大学付属病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科で診療にあたる。専門は、耳科学・聴覚医学・唾液腺疾患。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「ヘッドホン・イヤホン難聴対策ワーキンググループ」委員長を務め、グループでは学校保健委員会とも連携して学校における啓発活動も行う。 取材・文:釼持陽子 編集・ライター。’83年、山形県生まれ。10年間、健康情報誌の編集部で月刊誌・Webメディアの編集に携わったのちフリーランスに。現在はヘルスケア・医療分野などを中心に、医師や専門家の取材、企画、執筆を行う。
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