不安が頭から離れない、考えすぎてしまう。そんな人に試してほしい「If-Thenプランニング」思考法
プライベートでも仕事のことが頭から離れない、業務上の不安が常に心のどこかにある…。そんな仕事にまつわる心配、不安がつきないという人は少なくないでしょう。でも、そうした感情の大半をなくすことができたとしたら?今回は、日々の細かい心配・不安の防止に効く「If-Thenプランニング」思考法の活用術についてご紹介します。
もとは習慣を身につけるためのメソッド
「If-Thenプランニング」は、日本では2017年に刊行された『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』(ハイディ・グラント・ハルバーソン著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)で広く知られるようになった習慣術のメソッドです。 ライフハッカーでも、以前「王道だけどシンプルな習慣化7つの極意」という記事の中で紹介しています。 仕組みはシンプルで、「もしXだったらYをする」というルールをあらかじめ決めておき、日々の行動習慣に組み込むというもの。 たとえば、「午後7時になったら、ジムに行って汗を流す」といったものです。 単純過ぎて、かえって信じられないかもしれませんが、心理学的にその効果は立証されています。 人間の脳は、あらかじめ行動を決めておくと、(面倒くさいといった)感情は二の次になり、行動にフォーカスしやすいのです。 やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学 (コロンビア大学モチベーション心理学シリーズ) 1,320 Amazonで見る 1,320 楽天で見る
仕事上の不安解消に応用できる
もともと、好ましい習慣を身につけるためのメソッドですが、筆者はこれを「仕事にまつわる不安解消」に活用しています。 たとえば、以下のようなものです。 If:送ったメールが3日しても返信がない場合 Then:4日目の朝、やんわり督促のメールを送る If:企画Aがボツになった場合 Then:類似したストック企画Bは破棄し、路線の異なる企画Cをブラッシュアップして提案する If:新しい取引先候補への売り込みが首尾よくいかない場合 Then:売り込み活動はしばらく休止。今の業界ではどのようなニーズがあるのか、足りないスキルが何かを特定する作業に時間を割く 実にシンプルなメソッドですが、「If-Thenプランニング」思考法を会得する前の自分は、 送ったメールの返事が来ないのはなぜだろう。もしかしたら相手は自分の提案をよく思っていないのかもしれない… 企画がボツになったらどうしよう。取引先との関係がそのまま途切れてしまうかもしれない… 売り込みが失敗したらどうしよう。他への同様のアプローチもうまくいかないかもしれない… といった感じで、不安と心配ばかりが先立っていました。いわば、「~たらどうしよう。~になるかもしれない」思考に囚われていたのです。 この思考パターンは、なんら前向きなものを生み出してくれません。ですが、非常に多くのビジネスパーソンが、これと同じ罠に陥っているようです。 これを助長するのが、「努力は裏切らない」「心配事の9割は起きない」といった、よく知られている社会通念的な考えです。 正直な話、ビジネスの現場では、努力はいくらでも裏切るし、心配事の1割は起きてしまいます。だからといって不安・心配を、デフォルト感情にする必要はありません。 そこで「If-Thenプランニング」思考法が役立つわけです。 コツは、Thenにあたる部分に感情を入れないこと。「コンペで負けたら、落ち込まないようにする」のようなものでは、かえって「落ち込む」感情にフォーカスしてしまいます。 あくまでも「行動」にすることを忘れず、ぜひ一度試してみてもらえればと思います。 ──2022年11月16日公開記事を再編集して再掲しています。 やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学 (コロンビア大学モチベーション心理学シリーズ) 1,320 Amazonで見る 1,320 楽天で見る 執筆: 鈴木拓也/Source: Amazon
ライフハッカー・ジャパン編集部