松川浦の青ノリ生育遅れ 12月の水揚げ大幅減、相双漁協
福島県相馬市の松川浦の名産、青ノリ(ヒトエグサ)の生育が遅れ、12月の水揚げが大幅に少なくなることが23日、相馬双葉漁協などへの取材で分かった。 ノリ漁は例年、12月に始まり、翌年5月ごろまで行われる。同漁協によると、昨年12月は4回の漁で計5.2トンを水揚げしていたが、今年は収穫できる状態のノリが少ないことから、今月の漁は25日のみで、予定されている水揚げ量は約160キロに過ぎないという。 漁業者によると、ノリを養殖する網に胞子を付着させる「種付け」や生育場所に網を移す「本張り」など、9~10月の作業は順調だったが、11月ごろに伸びてきた葉が切れたり、変色したりすることが多かった。今月になって生育状況は持ち直してきたが、年内の出荷には間に合わないという。 生育が遅れている原因について、漁業者からは松川浦内の水温の上昇を指摘する声もあるが、県水産資源研究所(相馬市)は「詳しい原因は分からない」としている。 ノリ漁に携わる同漁協松川浦地区理事の山下博行さん(71)は「寒さが厳しくなって生育が進むようになったが、水揚げ量が増えるのは1月中旬ごろになるのではないか」と話している。 ノリの養殖は宮城県などでも行われており、松川浦は色が鮮やかで風味が強いヒトエグサの国内最北の養殖地。昨季は298.4トンを水揚げしていた。
福島民友新聞