「データセンターの分散立地で再エネの地産地消を」 江崎浩・東京大学大学院情報理工学系研究科教授インタビュー
一方で、DCは首都圏、大阪圏に集中しているが、分散立地を早急に進めるべきだ。11年の東日本大震災の際は、ダウンしたDCは確認されていない。国内のDCは十分な地震対策が施されているが、もし運用がストップすればスマホなどの使用に大きな影響が出て、社会・産業活動が大打撃を受けるだろう。 ◇インフラ整備の税制優遇を 今後想定される首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの自然災害に備え、脱炭素エネルギーの割合が高い、北海道、九州地方を第3、第4の拠点エリアとして整備するべきだ。インターネットは国民にとって最重要なライフラインの一つであり、それを支えているのがDCだ。DCを安定的に誘致して維持するため、DCと連携した電力供給システムをより一層安定させて強化するとともに、送電網などの電源インフラの整備に向けて、税制優遇など公的なバックアップの仕組みを検討してほしい。 集中立地を見直し、地方分散に向けてエネルギーインフラを早急に確立すべきだ。そうした取り組みが、結果的にはカーボンニュートラル(温室効果ガス実質排出ゼロ)にもつながる。(談) (江崎浩〈えさき・ひろし〉東京大学大学院情報理工学系研究科教授、日本データセンター協会副理事長)