「子どもが迷う場面」想定して一緒にルール作りを 留守番デビューの注意点
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとして、政府が全国の小中学校および高校、特別支援学校について、春休みまで臨時休校にするよう要請しました。多くの学校では、今月2日から実際に休校となっています。しかし、2015年の国勢調査によると、共働き世帯は64.4%を占めます。そんな中、どうしても家に子どもだけで留守番させなければいけない状況になる家庭も多く、不安を感じている親もいるのではないでしょうか。 そこで、セコム株式会社IS研究所(東京都三鷹市)の主務研究員で、『子どもの防犯マニュアル』(日経BP社)などの著書がある舟生岳夫さんに、留守番中の子どもの防犯で気を付けることについて聞きました。
「これをやってはダメ」だけでは足りない
――そもそも子どもにとって留守番は簡単なことでしょうか? 「小学校低学年だからできない」、あるいは「小学校高学年だからできる」というものではありません。子ども一人ひとりによって得意なこと、苦手なことは違っているので、本来は「準備」が重要です。しかし、今回は突然の出来事で、留守番に慣れていない子どもたちが大量に「留守番デビュー」することになってしまうのが心配なところです。 ――留守番にはどのような危険が考えられますか? まず考えられるのは、犯罪に巻き込まれることです。(不意の)訪問者に対して、不用意にドアを開けて連れ出されてしまったり、子どもだけでいるところに強盗に入られてしまったりすることなどが想定されます。また火災や、包丁など刃物による事故、マンションの場合は転落事故なども怖いですね。 ――「誰か来てもドアを開けない」「知らない人からの電話に出ない」といった注意が必要ですね。 それはそうなのですが、「これをやってはダメ」と言うだけでは足りません。「ダメ」という言葉だけでは、「やってみたい」という子どもの好奇心が勝ってしまうかもしれません。また、ダメと言われたこと以外は「大丈夫」と考えてしまうかもしれません。そもそも留守番中の安全確保は、子どもに委ねるものではないのです。 ――ダメという言葉だけでは足りないとすると、どうすればよいのでしょうか? 子どもと一緒になって、留守番のルールを作ることが大切です。「ただダメ」というのではなく、「なぜダメなのか」、「どのような危険があるからダメなのか」を、子どもが納得できるような説明をしながら一緒にルールを考えていくことが、留守番デビューする上で重要な準備になります。さまざまなケースを想定して、子どもが迷わないようなルールにしておくことです。