育児生活が10年を超えるころ、気が付くと家族関係がギクシャク!? 原因と対策は?
節目を意識して、行事をうまく活用しよう
――家族の変化をどう意識していけばいいのでしょうか? 実際、家族の変化を毎日意識するというのは大変だと思います。そういう意味では、節目を意識して、行事を装置として活用していくといいでしょう。 学校では、入学式、卒業式、運動会、授業参観といった行事があると思います。3月31日と4月1日で子どもは変化しませんが、そのタイミングに入学式があり、年度が変わって学年が上がるということで、子どもの成長・変化を実感できますよね。 運動会でも、たとえば子どもが6年生になって、組体操をしている姿を見ながら、1年生のときに徒競走で転んで泣いていた姿を思い出して、子どもが成長したのだと実感できます。それらが思い出になり、家族の軌跡になっていくのだと思います。 学校だけでなく、誕生日や季節の行事、お墓参りなどの節目を家庭で意識的に取り入れることで、子どもの、夫婦の、家族の変化と成長を実感し、共有できるのではと考えます。
まとめ & 実践 TIPS
子どもは成長とともに変化していくものです。それに伴い、夫婦関係、親子関係、家族関係も変化していきます。一緒に過ごす家族に対して、毎日興味・関心を持つことは、難しい場合もあるかと思いますから、節目を意識して、行事などで家族みんなの成長や変化を実感し、共有できるといいですね。 取材・文/本間勇気
プロフィール 小崎 恭弘 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育コース(保育学)教授 兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリング・ジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信を行う。2014年に出版した『男の子の本当に響く叱り方・ほめ方』(すばる舎)が子育て関連本で大ヒット。そのほかにも『育児父さんの成長日誌』(朝日新聞社)、『パパルール』(合同出版)など、著書多数。新聞等で連載を執筆。