八重樫トレーナーが囲み取材で語った

　5月6日（月）東京ドームで行われるプロボクシング［WBO世界バンタム級タイトルマッチ］に向け王者ジェーソン・モロニー（33＝オーストラリア）が都内にて公開練習を行なった。 　モロニーは元Kー1王者で同級5位・武居由樹（27＝大橋）を挑戦者に迎えるが対策について「武居選手が何を持ってきても対応できるだけの準備を整えている」と答え、モロニーのファイダー・トレーナーは「スキルを磨いて調整して来なければいけないのは武居選手の方」と挑発。それに武居の八重樫トレーナーは認めつつ、「モロニーに穴がある」と挑戦者として準備していることを語った。 【フォト＆動画】挑発するモロニー陣営、井上尚弥がモロニーをKOした動画も 　モロニーは「彼の爆発力があってスピードあるファイトスタイル、そしてキックボクシングのバックグラウンドから来る、ボクサーとはちょっと違った距離の取り方も含めて準備してきた。そういったところに対応するためにも3人のスパーリングパートナーを呼んだし、武居選手が何を持ってきても対応できるだけの準備を整えている」と対策は万全のようだ。 　そしてモロニーのトレーナーのアンジェロ・ハイダー氏は「武居とタリモ戦（11回TKO勝ち）もしっかり見た。だからこそ彼のトリッキーな動きなどを再現できるボクサーを用意し練習してきた。自分たちの方が分がある。何故なら私たちは真の戦いに何度も踏み入れた経験があるから。武居選手もナチュラルパワーがあって勿論いいボクサーだが、才能に助けられている部分がある。スキルを磨いて調整してこなければいけないのは武居選手の方ではないか。武居選手はロマチェンコのように角度をつけてとか、ウサギのように飛び回ってという動きはない。だから私たちが何かをするというよりも、彼がどういう動きをするのか楽しみだ」とボクサーとしてまだ経験値が低い武居が世界王者モロニーにと差があると言わんばかりのコメント。 　そのモロニーも勝負の鍵について「私が真のプロボクサーであるということだ」と自信満々だ。 　王者モロニーは27勝（19KO）2敗とKO率7割。武居は8戦全KO勝利中とKO率100%だが武居のプロボクシング歴は浅い。しかしプロキックボクシングの戦績は23勝（16KO）2敗と、キックボクシングを合わせると33戦とプロ歴は武居の方が戦績は上だ。 　会見後、この公開練習を視察した武居のトレーナーの八重樫東氏はモロニー陣営の「スキルを磨いて調整して来なければいけないのは武居選手の方」という挑発とも取れる発言に「我々はチャレンジャーなのでその通り。僕たちがつくってやっていく。モロニー選手の思考の上を行かないと勝てないと勝てないと思っている。やれることは全部やってきた。チャンピオン陣営もしっかり作ってきたと思うんで。そこで武居がどんなふうにボクシングするかはその日になってみないとわからない。世界戦は足し算よりも引き算。削って尖ったものを一本作ってきたのでそれをぶつける。モロニーには数少ない穴もある。欠点というか。そこをついていく」とした。 　また「POWER OF DREAM（武居がK-1時代の所属ジム）の古川会長と一緒に話してきたので、武居が実行することだと思う」とした。 　コンディションについてだが、「もう仕上げの段階なので怪我もなく、コンディションも崩さず。減量も大丈夫だとは思います。言ってもキャリアはあるんでそこは信じています」と結んだ。