TGM Grand Prix、55号車のドライバーは松下信治! 開幕直前の土壇場で決定……Jujuのチームメイトに
2024年シーズンのスーパーフォーミュラの開幕を数日後に控えた3月5日、TGM Grand Prixが長らく未定となっていた55号車のドライバーを発表。松下信治が起用されることとなった。 【動画】レーシングカーに感情が!? スーパーフォーミュラを活用した“人工自我”研究の進捗を東大が発表 TGM Grand Prixは今年初め、53号車のドライバーに女性ドライバーのJujuを起用すると発表して話題となったが、もう1台である55号車のドライバーに関しては、長らく未定とされてきた。2月の鈴鹿テストではラウル・ハイマンを起用しており、ハイマンがレギュラードライバーの唯一の候補なのではないかと見られていたが、開幕戦の走行開始4日前という土壇場で松下の起用が発表された形だ。 松下は、昨年までB-Max Racingのドライバーとしてスーパーフォーミュラに参戦。2022年にはチームに初勝利をもたらしたが、2023年シーズンは最終戦まで入賞できない苦しいシーズンとなった。同年末の合同テスト兼ルーキーテストではTGM Grand Prixからエントリーしていたが、本人はシート獲得のチャンスは望み薄であると示唆していた。またその一方で、チーム代表の池田和広氏は当時、松下も2024年シーズンのドライバー候補のひとりであると言及していた。 TGM Grand Prixは基本的にドライバーからのスポンサーや資金の持ち込みに頼らざるを得ないチーム状況。そのため、多くのF2ドライバーとも交渉したようだが金銭面で折り合いが付かなかったようだ。2月の鈴鹿テストを前にした段階でも池田代表は、金銭面で条件に合致しているドライバーは現時点でいないものの、候補は“ふたり”に絞られたと語っていた。そしてその数日後、ハイマンの鈴鹿テスト起用が発表されたのだ。 ただハイマンに関しては、同年のレギュラードライバーとしてではなく、あくまでテスト参加ドライバーとしての発表。ハイマンの支援者たちが、テストでのパフォーマンスを見て出資を判断する……そんな状況だったと見られている。そしてハイマンはテストでトップ10に食い込むタイムを記録するなど、まずまずのパフォーマンスを見せていた。 ただ、2月21日、22日に行なわれたテストが終わり、3月を迎えてもドライバーは発表されずにいた。そして今回、ようやく55号車のドライバーが明らかになった。ドライバーは松下。F2など海外カテゴリーも含めて実績十分のドライバーであり、新天地でどんなパフォーマンスを見せるかに注目が集まる。
戎井健一郎
【関連記事】
- ■今後さらなる猛者が、日本にやってくる……F2王者プルシェール確信「悲しいけど、結果だけではF1に行けない」
- ■気になるJujuのチームメイトは誰に? TGM Grand Prix、数多のF2経験者と交渉も合意には至らず。開幕前テストの段階では最終決定しない可能性も
- ■崖っぷちから掴んだ“未来”。スーパーフォーミュラ昇格の木村偉織が明かす「SFライツでチャンピオンを獲れなかったらここにはいなかったと思う」
- ■2024年スーパーフォーミュラ放送体制が発表。ABEMAで『サーキットで会いましょうシーズン2』開始、レース中継テーマソングにはMAN WITH A MISSION!
- ■「彼女は大谷翔平のような存在になる」スーパーフォーミュラ参戦Jujuを支えるマネージャーに聞く広報メソッド。政治力よりも“マスの力”で世界最高峰目指す