米IBM、中国の「研究開発拠点」をすべて閉鎖の内幕 中国政府のセキュリティ強化で事業環境激変
■米中対立の激化が逆風に ところが、アメリカの情報当局による広範な情報収集が暴露された2013年の「スノーデン事件」をきっかけに、風向きが大きく変わった。中国政府は(国家安全保障上の懸念から)基幹業務システムやインターネットの安全性の管理・監督を強化し、IBMのサーバーを含む外国製品に頼らない情報セキュリティの確保を急いだ。 さらに2018年以降、アメリカ政府が中国の通信機器大手の中興通訊(ZTE)や華為技術(ファーウェイ)などに次々と制裁を課したことで、米中のIT産業のデカップリング(分断)が進行。その結果、(IBMの競争相手である)中国のIT企業が政府の支援を受けて実力を急速に高めた。
こうした事業環境の激変が、IBMの中国事業の逆風になったことは言うまでもない。同社の決算報告書によれば、中国を含むアジア太平洋地域の2023年の売上高は前年同期比6.5%増加したが、中国事業の売上高は逆に同16%減少した。 (財新記者:劉沛林) ※原文の配信は8月26日
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