「トランプ当選が円安に終止符を打つ」…大統領選に振り回される日本が「アメリカに一矢報いる」驚愕の秘策とは
アメリカの真似をする必要はない
永濱:もちろん、それがマイナスに働く面もあると思います。条件が悪くてもみんな我慢してしまえば、大きな変化が起きにくくなります。日本がなかなか変われない原因はそこにもあるかもしれません。 たとえば日本では「公的年金の支払い期間が65歳まで延長されるかも」という話題が持ち上がって批判する向きもありますが、日本人の反応は穏やかなほうです。これが海外であれば、大規模な暴動に発展している可能性もあるでしょう。実際、フランスでは2023年に社会保障の負担増がアナウンスされると、全土で激しい抗議活動が行われました。日本でこういうことは起こりにくいわけです。 エミン:たしかに。 永濱:それを考えると、当面はものづくり回帰というか、ハイテク製品の生産拠点として稼いでいくのが景気復活の一番の近道だと思います。 もちろん、金融やITを含むサービス産業を伸ばしていくことも日本経済の課題ではあります。ただ、世界的に見て、金融やテックで成功している国はアメリカぐらいなもの。それ以外の多くの国でも普通に経済成長していますから、金融・テックにこだわる必要はないと思います。 『「トランプ再選は日本にとって追い風」!?…安倍元総理を失った日本がこれから迎える「光と闇」』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ