【日本には2人だけ】インティマシーコーディネーター 需要に応えるために始めた人材育成
■これまで約50本の作品に参加 どのように両立しているのか?
浅田さんは、2020年にインティマシーコーディネーターとしての活動をはじめてから、これまで約50本の作品に携わってきました。徐々に需要が高まり、いまでは同時に複数の作品を並行して担当しているといいます。 ――なぜ新たなインティマシーコーディネーターの育成に取り組もうと思われたんですか? 浅田さん:インティマシーシーンの撮影の立ち会いだけではなくて、監督からのヒアリング、それから俳優との面談、衣装合わせに立ち会うこととかもあります。それを同時に何本もの作品をやるっていうのはとても難しいんですけれども、何とかインティマシーコーディネーターが参加できるように、助監督の方だったり、プロデューサーの方だったりが本当に協力してスケジュールを合わせていただいているおかげで、同時に何本も関われるっていう状況です。でも、これからもっと需要が増えることを考えると、やはり今の人数では足りないなと思って育成を考えました。
■人材不足を解決すべく、現在2人を育成中
世界には複数のインティマシーコーディネーター団体があり、浅田さんはアメリカのIPA(Intimacy Professionals Association)という団体に所属しています。英語でトレーニングを受け、団体から認定されたことで、インティマシーコーディネーターの資格を取得しました。浅田さんは現在、IPAとライセンス契約を結び、2人に対し、日本語でトレーニングを行っています。 浅田さん:やはりアメリカと日本ではやり方が違うので、日本のやり方というのを教えています。インティマシーコーディネーターになりたい方ってたくさんいらっしゃるんです。英語でしか学べないっていうところが大きなハードルでした。 ――教えているのはどのような内容ですか? 浅田さん:アメリカでも日本でも同じなんですけど、最初の座学は全てオンラインです。同意とは何か、セクシュアリティー、ジェンダー、メンタルヘルス、トラウマ、そういったことをまず勉強して、それから実際の撮影とはどのように行っていて、インティマシーコーディネーターがどのように介入して、どのように台本を読んで、監督とどのように話すか、俳優とどのように話すか、そういったことも学びつつ、それが全部終わると、安全なインティマシーシーンの撮影の仕方をワークショップでやります。