日本においても同じ道路上の公共交通としてバスとトラムの共存をもっと進めてはいかがなものか?
■競合が不便を生んでいる日本の公共交通
また、競合であるがゆえ、双方の乗り換えが考慮されていない点も問題だ。同じ名前の停留所であっても、乗降所が別々になっており、乗り換えようと思ったら横断歩道を渡るなどして歩かなければならない。 雨の日などは、傘を差して移動をしなければならず、利用客にとっては非常に不便。これに関しては、新規開業の宇都宮でも言えることだ。 せっかくバスターミナルまで設けた清原地区市民センター前を見ても、トラムとバスのホームは別々で、この辺は実に典型的なお役所仕事のように感じてしまう。 もし、法令の問題で同じホームによる整備が出来ないのだとすれば、これは大きな問題で、早急な改善が必要だ。 続いてヨーロッパの事例を見てみよう。トラムが運行されている都市の多くでは、バスはトラムと同じホームを使用し、乗り換えに移動の必要はない。 下車した同じホームで待っていれば、バスもトラムもやって来る。また路線が並行する区間では、舗装された軌道上をバスが走行、一般車と通行区分を分け、渋滞を回避させるなど、トラムとバスを同列に扱い、より連携を持たせている。 違う事業者同士であっても、同じ地域の交通連合という形で、一体となって整備されている。 日本は、確かにトラムの開業や延伸、あるいは低床車の導入とそれに合わせたインフラ整備などが進み、人と環境に優しい公共交通機関が整備されつつあるが、トラムとバスがお互い別々に運用されているようでは、まだまだ改善が必要と言えるのではないだろうか。