「一発不合格」とされた令和元年度の教科書検定を違法として、「新しい歴史教科書をつくる会」が主導する中学校歴史教科書を発行する自由社が、国などを相手取り損害賠償を求めた訴訟の公判が3日、東京地裁（大須賀寛之裁判長）で開かれ、同会の藤岡信勝副会長の証人尋問が行われた。 藤岡氏は、「欠陥箇所数が著しく多い」場合に年度内の再申請ができないと平成28年に改められた審査基準で「一発不合格」になったとして、「単なる誤植と学習指導要領に合致しているかを同じ件数（欠陥箇所）として数えるのは不合理だ」と述べた。「精神的、経済的な打撃を受けた」として、合格していた場合に採択で得られたとされる売り上げ収益など計約1200万円の損害賠償を求めた。 訴状によると、元年度検定で規定の割合を超える405件の検定意見が付き、「一発不合格」が適用された。自由社側は他社版の同様の記述には意見が付いていない「ダブルスタンダード（二重基準）」の例を含む50件の違法な検定意見があるなどと主張している。
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