結崎ネブカ、貝ボタンに続く特産品は…縞がうっすらとした薄緑色のスイカ
奈良県川西町に新たな特産品をと、町商工会がスイカの試験栽培に取り組んでいる。着想を得たのは地元の神社に飾られている絵馬。早ければ、来年のふるさと納税の返礼品に活用することを目指している。
同町は葉ネギ「結崎ネブカ」や、天然の貝を使った「貝ボタン」といった特産品で知られるが、夏らしい品物にめぼしいものがなかった。そこで、町内の糸井神社にある江戸時代の絵馬に描かれている絵図に着目。 縞(しま)がなく、薄緑色したスイカを当時の農民たちが食べている絵が残されており、「絵馬にちなんだスイカを新たな特産品に」と商工会の吉岡清訓さん(57)を中心にしたプロジェクトが動き出した。
今年3月、種苗会社「萩原農場」(奈良県田原本町)に開発を依頼し快諾を得た。ただ、実際に縞がないスイカは味が劣ることがわかった。
そこで、農場は特徴が近い、縞がうっすらとして薄緑色のスイカを提案。対比が楽しめる濃い緑の縞模様がある品種をあわせた2種を開発することにした。4月頃に栽培を始め、約30玉を収穫。神社に奉納した。
来年も栽培を予定しており、吉岡さんは「小さな町だが、魅力はたくさんある。地域の成長のために頑張りたい」と話した。