銭湯・サウナなぜ“ハッテン場”に?性被害や相次ぐトラブル 法的問題点とは?
■経営難の温泉施設で起きた事態が閉店への“トドメ”に
全国的にも大きなニュースになったのが、鹿児島県で起きたケースだ。今年3月に倒産した公衆浴場も、転用ハッテン場になっていた。燃料費の高騰などで経営に苦しんでいたところ、転用ハッテン場となり男性客同士の性行為が相次いでしまったことで、一般客の足も遠のいたというケースだ。佐伯氏は倒産の理由について「(ハッテン場になったことが)1つの原因であるというお話で、これだけがピックアップされたことに関しては困っている状況ではある」とした上で、「あちらの銭湯はかなり大きい。家族経営からちょっと外れた大きさがある。そうすると従業員もアルバイトなどになり、見て見ぬふりをしていた可能性もある。性行為だけじゃなくても、他のどんな些細なお客様同士の争いも、 最初にまずきっちり店側が態度を示さないと、それが広がってからでは遅いこともある」とした。
■大都市では存続も地方では数を減らし続ける専用ハッテン場
SNSなど出会いのきっかけも増えた中、専用ハッテン場の数は減りつつある。サムソン氏によれば「ゲイ専用のちゃんとしたハッテン場は、大都市にしかない。自分の知る限り、東京、大阪、名古屋、あとは博多ぐらい。札幌あたりの大都市でも、ゲイ専用のハッテン場はなくなっていて、地方にはない」のが現状だ。逆にSNSを活用して、小規模でも転用ハッテン場と設定したところに人が集まるという環境も出来上がっている。 この現状に、パックンは「80年代からゲイ社会の変化を見てきている。昔は本当に隠れて行うしかなかった時代から、少なくとも割とオープンにしているし、少なくとも西洋はシフトしている。一時期はラブホテルは男同士では入れないとか、そういう縛りとかあって、ハッテン場に頼るしかなかったが、今であれば出会いはハッテン場でも、行為をする場所は他のところにするなど迷惑をかけない形はできないものか」と提案した。
■公衆浴場マナーのあり方「裸の付き合い」のルールは
時としてハッテン場にもなってしまうケースもある公衆浴場だが、古くから「裸の付き合い」という言葉もあり、コミュニケーションの場になってきた背景もある。パックンは「僕個人は全然平気。地方の銭湯を回って、地元の方との交流の場を結構持っている。ただ、それを嫌がる方がいるのは間違いないと思うので、やめた方がいいと思う。裸の付き合いは知り合ってから」と述べた。 コラムニストでゲイの小原ブラス氏は「自分は裸で歩いているのも嫌で、温泉とか銭湯で水着とかも付けずに裸で歩いているのを見ると、なんか笑ってしまう。同性でも裸でOKというのはすごく違和感がある」と述べた。またAV女優の紗倉まなは「銭湯に行って嫌な思いをしたみたいなことはまるでないが、個性を出す場所ではなくて、リラックスしたり、洗いに来る場所。だからそれ以外の何かプラス日常的な会話や、それこそナンパとかそういう場ではない。よく美容院とかでも話しかけないでほしい人はこれをつけるとか、一目瞭然で自分の意思を伝えられるものがあれば」と語った。 (『ABEMA Prime』より)