谷口キヨコ がむしゃら人生にも訪れる“落ち着きシーズン”良くも悪くも自分見つめる時間ができる
【谷口キヨコのごきげん!?SOLOライフ】これまでの人生でお手本を欲しなかった(ように見える)小泉今日子さんが、還暦を目前にして「人生のお手本がいないから困ってる」と発言する姿を見て驚いた私。 でも、よくよく考えてみて、実は私もそうなんじゃないかなぁと気付いた。仕事が日常のど真ん中にあるときは、その生き方にお手本がなくてもやっていける。仕事に関しては誰もやってないことをやる方が、ビジネスチャンスだったりもするし。なのでお手本がいないことなんてほぼ気にならない。 ただ、人生って不思議と一段落するときがくるもので、その時は誰でもがちょっと落ち着いて過去を振り返ったり未来を見たりするものだ。 全速力で走っていても、40代後半から50代、60代になれば不思議といろいろな理由で落ち着く時間を与えられる。子育てが終わったとか、職場での立場が大きく変わったとか、自分や周囲の人たちの病気とかで、良くも悪くも振り返る時間ができてしまう。 好むと好まざるとに関わらず、とにかくがむしゃらに走ってはいられない、そんな状況。そこで初めて、これまでがむしゃらに全速力で走ってこられたことに感謝する。それは自分の力だけではなかったことを知り、そうできたことが人生の奇跡だったことに気付く。そしてまた感謝。 誰しもがそれまで気付かないのは当たり前。だってがむしゃらに走ってたんだもん! その日のことやちょっと前だけを見ていたら、立ち止まって改めて物事に感謝する時間や余裕はなくて当然だもの。 でも、できちゃうんだなぁ、そういう時間。そこでふと考える。「これからどうしよう」って。仕事中心にがむしゃらに走る頃は過ぎ、落ち着きのシーズン。立ち止まると「周りはどうしてるんだろう」って見回すんですよね。そして、自分より先にこのシーズンを迎えた先輩たちはどうしてるんだろう、どうやってこの時期を過ごし、前に向いたのだろうか、って知りたくなる。これまで必要ではなかったお手本が欲しくなるのだ。 ただ、その生き方を「知りたくなる対象」は、自分がなりたいような人生を送っている人がいい。なんとか頑張れば自分もなれそうな人。それに、自分とかけ離れた境遇や暮らしや、もっと言えば考え方をしている人では「なりたい人」にはならない。 つまり、キョンキョンにはいないんだろうなぁ、そんな人。彼女は自分の考え方や快適な暮らしややりたいことがどんどんはっきりしてきて、そのスタイルを保持しながらもお手本にできる人を探しているとすれば…。そのお手本を参考にしながら生きた方が、正直楽なことは分かってるキョンキョン。仕事では命がけで攻めてそれで悔いがなくても、これからの人生はある意味、楽したいもんなぁ。これからはこんな風に生きたら幸せです、みたいなお手本、欲しいよねぇ。 でも、キョンキョンみたいに風当たりの強いところに自ら出ていってしまうような覚悟のある女性、なかなかいないからなぁ。覚悟をもってしなやかに、その人らしく一人で幸せに暮らす人。そしてその姿が美しい人。なかなかいないよね。 キョンキョンの理想が高いっていうのもあると思いますが…。でも、やっぱり私にもお手本は…ないんですよねぇ。(たぶんまだ続く)