3連覇狙う長野が優勝候補筆頭 高校生No.1折田壮太擁する兵庫、前回上位の埼玉、東京、千葉、岡山も強力布陣/都道府県男子駅伝
天皇杯第29回全国都道府県対抗男子駅伝が1月21日に広島で行われる。日本を代表するトップランナーから中学生まで、各カテゴリーの有力選手たちが“ふるさと”のタスキをつなぐ1年に一度の「オールスター駅伝」。注目のチームや選手をピックアップし、見どころを紹介する。 第29回都道府県対抗男子駅伝エントリー選手をチェック! 2連覇中の長野は、前回Vメンバーでもある永原颯磨や山口竣平ら、全国高校駅伝で大会新Vを飾った佐久長聖高勢が強力だ。3000m障害の高校記録(8分32秒12)保持者でもある永原は前回1区2位、山口は4区区間賞でともに区間新記録で走破しており、そこに5000mで13分38秒40の濵口大和を加えた最強布陣で挑む。 このほか、長野は社会人・学生も強力。10000mで27分30秒69のベストを持つ鈴木芽吹(駒大)や前回3区区間8位の伊藤大志(早大)、5000m高校記録保持者で前回は高校生最長区間の5区(8.5km)で区間新記録を樹立した吉岡大翔(順大)が名を連ねる。中学生区間も3000m8分47秒台のベストを持つ選手が2人そろい、3連覇&史上初の「V10」に向けて死角は見当たらない。 対抗勢力としては、茨城、群馬、埼玉、千葉、東京、大阪、兵庫、岡山、宮崎、鹿児島あたりが候補に挙がる。 なかでも注目は高校生ナンバーワン選手の折田壮太(須磨学園3)を擁する前回8位の兵庫だ。折田は5000mで高校歴代2位の13分28秒78を持ち、インターハイ日本人トップの5位、国体少年A優勝、全国高校駅伝1区区間賞と世代の先頭をひた走ってきた。高校生では前回2区区間賞の新妻遼己(西脇工1)がエントリーし、中学生区間にも秋のU16大会1000mを制したスピードランナーの梅田大陸(大原3)、全中3000m11位の稲垣翔馴(上甲子園2)ら強力な選手がそろった。東京五輪5000m代表の坂東悠汰(富士通)ら社会人・学生選手の活躍次第では11年ぶり6度目の頂点が見えてくる。 前回2位~5位の埼玉、東京、千葉、岡山は中高生が強力で、今回も上位候補に挙がる。岡山は前回20年ぶりの入賞で過去最高成績だった。今回は箱根駅伝2区区間賞の黒田朝日(青学大)、インターハイ3000m障害2位の黒田然(玉野光南高3)による兄弟リレーにも注目が集まる。 前回29位の鹿児島は社会人・学生区間に全日本実業団対抗駅伝7区区間賞の市田孝(旭化成)、出雲駅伝4区区間賞の山内健登(青学大)が入り、高校生区間には5000m13分34秒20の飯田翔大(出水中央3)や10000mで28分40秒のベストを持つ玉目陸(出水中央3)、国体少年共通800m優勝の立迫大徳(鹿児島城西3)ら強力選手ぞろい。第5回大会で優勝経験があるものの、それ以降の入賞は2019年の6位を含む3度しかない。今回はビッグチャンス到来だ。 前回33位と群馬は12月の日本選手権10000mで27分09秒80の日本記録を樹立した塩尻和也(富士通)がエントリー。全中駅伝1区区間賞の小林修輔(荒砥中3)ら中高生も力のある選手が集まっており、5年前の準優勝チームの意地を見せられるか。 そのほか、前回10位の茨城はマラソンで活躍する細谷恭平(黒崎播磨)や全日本大学駅伝1区区間賞の赤津勇進(駒大)が社会人・大学生区間にエントリーし、高校生では5000m13分台ランナーを3人そろえるなどレベルが高い。宮崎は5000m14分07秒未満を4人擁する高校生区間、全中3000m2位の藤井雄大(住吉中3)ら中学生区間が強力だ。 大阪は社会人・学生区間に全日本実業団対抗駅伝で3区区間賞を獲得した小林歩(NTT西日本)、同5区区間2位と好走した葛西潤(旭化成)と勢いのある選手がチームを牽引。5000m13分台の七枝直(関大北陽高3)ら高校生区間の奮闘次第では19年ぶりの入賞が見えてくる。 中学生区間では全中3000m優勝の北海道・吉田星(札幌上野幌3)、同1500m優勝の和歌山・田中悠大(岩出二3)らの走りにも注目が集まる。 今年のパリ五輪マラソン代表に内定している赤﨑暁(九電工)は熊本チームにエントリー。また、通算出場18回のレジェンド、39歳の岡本直己(中国電力)は今年も鳥取県チームで登録している。自身の持つ通算ごぼう抜き「134人」の更新はなるか。 大会は1月21日、広島市の平和記念公園前を発着とする7区間48kmのコースで行われる。大会の模様はNHK総合で午後0時15分から中継。スタートは午後0時30分だ。
月陸編集部