『二王子岳』の“冬支度”と ご褒美絶景【カメラマンが魅せられた風景】新潟県新発田市
二王子岳を愛する皆さんは、毎年手弁当で『山の冬支度』をしているのです。 「うしろ、見て下さい」 「ぉわ~ーーー、スゴイですね!」 「晴れてきたねっか」 「見えてきた」 「見える、見える…」 作業を進めているうちに、日も差しはじめた二王子岳に“紅葉のパノラマ”が広がっていました。 雨もすっかり上がり先へ進むなか、法政大学から来たワンダーフォーゲル部の一行7人とも出会いました。冬にバックカントリーをする下見に来たそうです。 「冬山は怖いので、しっかり下積みをしてから」と話していました。 9合目に着きました。 ここにまつられた二王子神社の「奥の院」でも、大切な冬の準備がありました。 3年前に復活した『黴占い(かびうらない)』だそうです。 【後藤光次さん】 「これは今年の新米を炊いたものです。これを奥の院に納めまして、来年の5月2日に『黴占い』を行います。宮司さんが“カビの状態”でその年の豊作を占うという神事です」 春まで扉は締められて…。 納められた新米は、山頂で冬を越します。 冬の準備が進む二王子岳(新潟県新発田市)登山口から4時間。 標高1420mの山頂に到着。 山頂に備えられた「青春の鐘」を打ち鳴らした奥に見えるのは飯豊連峰です。 【新潟市からの登山客】 「雲海も出ていて、すごくきれい」 「毎年秋に来ます。今年で4回目。飯豊連峰が全部見渡せるのがいい」 「登ってくる間ずっと、緑から黄色 赤になって…」 「紅葉のグラデーションが真っ盛りで、疲れが吹っ飛んだ」 山頂の避難小屋に今宵は一泊。 夕食は、スープパスタと焼肉!大ごちそうです。 そして小屋の外にはさらなる“ご褒美”…。 雲海を照らす「夕日」と、遮るもののない満天の「星空」です。 翌朝6時過ぎ…。 飯豊本山からの『日の出』。 飯豊連峰全体がシルエットになっていました。 年間1万人以上の登山者がおとずれる、新潟県新発田市の『二王子岳』。 「にのじさま」と親しまれ、たくさんのボランティアの手で守られてきました。
【下越山岳会 会長 上條力一郎さん】 「これからは、厳しい厳冬期が待っています。それなりの技術と体力が無いと危険な山になります。でも、その冬の晴れ間に、“雪景色の屏風”のような飯豊を見るのも非常にいいかと思います。天候を見て訪れたいものですね」
新潟放送