FZMZ、スタンミなど人気クリエイターがVRChatに続々上陸 『Vket』では“バキ童”に出会える?
■覆面バンド・FZMZ、『VRChat』でサプライズライブを敢行 TVアニメ『シャングリラ・フロンティア』のOPテーマを担当しているバンド「FMZM」をご存知だろうか。ゲーム・VRなどのデジタルカルチャーとつながりが深い著名なアーティストたちが、アバターを身にまとって別名義で参加しているスペシャルユニットである。すでに何名かは元の名義が明かされているものの、いまだ正体は謎に包まれている。そのあり方が少しだけVTuberに似ていることも含めて、興味深いユニットだ。 【画像】“バーチャルバキ童”のすがた そんな世間的にはまだ謎めいたバンドであるFZMZが、突如『VRChat』に乗り込んできた。7月20日に、1stライブ『DEEP:DAWN』を『VRChat』で開催すると発表したのだ。 そして、予行演習と言わんばかりに7月5日にはサプライズライブが敢行された。ヒント自体はあった。6月29日に前触れなく公開された公式ワールド「FZMZ Point Zero」や、公式Xにそれとなくヒントが仕込まれていたのである。筆者含め「なにかある」と感づいて7月5日にワールドを訪れた人は、このサプライズライブの現場に立ち会うことができた。 昨年話題を呼んだCAPSULEのVRライブとほぼ同じ座組が関わっていることもあり、サプライズライブのクオリティは相当なものだった。アーティストの世界観へ没入していく、VRならではの演出は一見の価値がある。気になる方は7月20日の23時に、「FZMZ Point Zero」へ足を運んでほしい。 ■ストリーマー・スタンミは『VRChat』で“ボイチェン人狼”を開催 ストリーマーのスタンミが、にわかに『VRChat』に興味を示した。とある配信で話題に出してから一気に興味を持ち始め、ほどなくしてVRヘッドセットをつけて現地に乗り込んだ。相当なスピード感である。 そして、あっという間に自ら企画を立ち上げた。アバター越しに聞こえる声から男性か女性かを判断する「ボイチェン人狼」という企画だ。この企画には相当な数の参加者が集まり、スタンミを惑わせるべく“声”を振るった。 集まった参加者は多種多様。女性と思わせる非常に精度の高いボイスチェンジャー使いや両声類に、本物の女性、逆に男性になりすまそうとする女性なども入り混じる中で、スタンミも相当に頭(と耳)を悩ませていた様子だ。参加者からさまざまなエピソードを聞かされることで、彼自身も『VRChat』カルチャーの一端を学んでいたように見える。 著名人が『VRChat』に興味を示し、自身の活動の中で接触するケースは過去にもいくつかあるが、触れて早々に企画を立ち上げて実行したケースはめずらしい。なお、同企画をダイジェストにまとめた動画にはなかなかの反響が集まっている模様。ストリーマーがなにかしらの形で『VRChat』へやってくるケースが、今後も増えるだろうか。 ■STPRは新たな才能発掘へ Vketの開催も近づく 勢力を拡大し続けているSTPRは、クリエイターコミュニティ「STPR BOYS PROJECT」を始動させた。STPR所属のアイドルグループまたはアーティストとしてデビューを目指す新規クリエイターが所属するコミュニティであり、第1弾として9名が発表された。 「すとぷり」などで培われたノウハウを活用し、新たな才能を発掘するプロジェクトとなるようだ。グループ企業となったVライバー運営企業のボンドからも参加者が現れており、M&Aによる規模拡大の影響がさっそくあらわれている。第2弾、第3弾のクリエイター発表も控えているようで、今後一大勢力となる可能性もあるかもしれない。 VRの一大イベント『バーチャルマーケット2024 Summer(Vket)』の開催も近づいてる。出展企業もいくつか発表されており、今回はダイキンやメッセホールディングスなどが初出展している。 また、「バキバキ童貞」のミーム化によってその名を知らしめたお笑いコンビ・春とヒコーキのぐんぴぃも、株式会社タイタンのブースにて出会えるようだ。 イギリス最大のインディペンデント映画祭『Raindance Film Festival(レインダンス映画祭)』のXR部門「Raindance Immersive」のアワードも発表された。このうち、「BEST LIVE SHOW」部門では日本発イベント『Connected Waves: VR Jazz Session』が受賞を果たした。「Raindance Immersive」で日本発の作品が受賞するのは、おそらく初となる。 なお、惜しくもアワードを逃したものの、オープニングセレモニーの舞台に立った『SHIRO: FOUR SEASONS』のyoikami氏に単独インタビューも実施した。前後編の大ボリュームとなっているが、VRで身体表現を探求したパフォーマーがどのような人生をたどり、どのような境地に至ったか、じっくりと話を聞いている。ぜひご一読いただければ幸いだ。
浅田カズラ