“狩りガール”3人始動 木祖村 初の女性ハンター 「猟の魅力も伝えたい」
木祖村のハンターが所属する木祖村猟友会(上村憲一郎支部長)に3人の女性メンバーが加わった。村内では初めての女性ハンターだ。猟友会員の高齢化が進む中、3人の“狩りガール”は、狩猟の魅力を伝える活動にも力を注ぎ、農林業に有害な野生鳥獣を駆除するハンターを目指す新たな仲間づくりにも一役買おうという。 活動を始めたのは、会社員の清水美和さん(47)と山田百合子さん(43)、村地域おこし協力隊の丸山夏実さん(30)の3人。清水さんは、上村支部長が部長を務める村体育協会射撃部が2年程前に作った「クレー射撃はじめてみない?」のポスターを見たのがきっかけで猟に興味を持った。山田さんは、新たな捕獲技術者の発掘・育成を目的に猟友会が導入しているクレー射撃のシミュレーターの体験を機に、ハンターの世界に飛び込んだ。 木曽郡内の野生鳥獣による農林業被害額はここ数年、年間2000万円を超えている。丸山さんは、遊休農地の活用と農作物のブランディングに取り組む中、深刻な食害被害を目の当たりにした。「あまりに被害がひどく、農業をやめてしまう住民もいる。農業を守るためにも狩猟をやるしかない」と決意した。 木祖村猟友会員は現在23人で、60代以上が7割を占める。50年ほど前には会員が100人いた。高齢化を理由に猟をやめる会員が格段に多いため、狩猟免許の取得者が増えても追いつかない状況という。 3人は「先輩に学び、少しでも地元のためにできることをしたい」と張り切っている。上村支部長は「女性会員が生き生きと活動することで、猟に興味を持ってくれる人が増えればうれしい。若い世代にもアピールできる心強い仲間」と期待している。
市民タイムス