専業主婦がパートで年収「150万円」になると、将来の年金額はどのくらい増える? 働く期間ごとの年金額も解説
これまで専業主婦(夫)だったけれど、今後は働きたいと考えている人もいるかもしれません。また、働いている人の中には、「厚生年金の保険料を払いたくないから勤務時間を調整している」という人もいるでしょう。しかし、厚生年金の保険料を負担すれば、確かに毎月の収入は保険料分減りますが、老齢厚生年金分として将来もらえる年金額は増えます。 本記事では、パートで年間150万円稼いだ場合、老後の年金がどれくらい増えるのか解説しています。
専業主婦(夫)がもらえる年金は最大で月6万6250円
専業主婦(夫)で配偶者が会社員などの場合、国民年金の第3号被保険者として国民年金に加入しています。そして、基本的には65歳以降、老齢基礎年金として、令和5年度時点では最大で年間79万5000円が受給可能です。年間で79万5000円ですので、ひと月当たりでは6万6250円です。
パートで働く場合の厚生年金加入条件
仮にパートで働いていたとしても、厚生年金の保険料を必ず負担するわけではありません。令和5年12月時点で、厚生年金の保険料を負担することとなる条件は次の全てを満たす人です。 (1)労働時間が週20時間以上 (2)賃金が月8万8000円以上 (3)雇用期間が2ヶ月を越えて見込まれる (4)学生ではない (5)勤務する企業の従業員数が101人以上 なお、(5)は令和6年10月以降には51人以上に変更される予定です。厚生年金の保険料は企業が半分負担しますので、対象の企業は場合によっては費用が増えることとなるでしょう。
年間150万円かせげば、年金はどれくらい増えるのか
専業主婦(夫)は、老齢基礎年金を最大年間79万5000円受け取れます。そして、前述した(1)~(5)の条件を全て満たせば、厚生年金保険料を負担する代わりに、老齢厚生年金分として将来の年金額を増やせます。増やせる金額は働いた期間と収入によって変わりますが、今回は年収150万円を10年、15年、20年続けた場合について計算していきましょう。 毎年受け取れる年金の増加額(老齢厚生年金分)はおおよそ次の式で求められます。 平均標準報酬月額×5.481÷1000×加入月数 年収150万円の場合の標準報酬月額は12万6000円です。よって、働いた期間に応じて増加する年金額(年額)は次のとおりです。 ●年収150万円を10年間:8万2873円(ひと月当たり6906円) ●年収150万円を15年間:12万4309円(ひと月当たり1万359円) ●年収150万円を20年間:16万5745円(ひと月当たり1万3812円) 仮に年収150万円で20年間働き、65~85歳まで年金を受給した場合、ずっと専業主婦(夫)だった場合と比べた生涯の年金の増加額は331万4900円です。