大久保嘉人が対戦して嫌だったDF5人を語る「すね当てが半分に割れた」「一番イライラさせられた」相手とは?
J1通算191ゴールの歴代最多得点記録を持つ、大久保嘉人氏にインタビュー。後編はこれまで対戦してきたなかで嫌だなと思ったDFを5人挙げてもらった。 【動画で見る】大久保嘉人が語る 対戦して嫌だったDFベスト5 前編「大久保嘉人がすごいと思ったストライカー10人」>> ◆ ◆ ◆ 【動画を見る】↓↓↓ 【なかなか抜けない】 5位:カルレス・プジョル(元バルセロナ) プジョルはマジョルカ時代に対戦したことがあります。スピードはないんですけど、駆け引きとかスライディングがうまくて、「あれ、全然スピードがないのになかなか抜けないな」と、ちょっと難しいなと感じた選手でした。 勝負どころの判断が絶妙なんですよ。マークにつかれる時に、背中に触っているんですけど、「これは潰せるな」と思ったらガツっと潰しにきて、「これは無理そうだな」と思ったら絶妙な間合いをとって、わざとボールを出させたところをスライディングでパーンとくる。あの駆け引きは本当にうまかったです。 それに、たとえ抜いたとしても、彼はボールを追ってくるのではなくて、コースに戻るんですよ。だからいくら抜いても「まだプジョルがいる」という感じで難しかったですね。 それから「こいつには絶対にやられたくないな」という相手には、カニ挟みでガツンと来るんですよ。それを食らって僕は初めて、すね当てが半分に割れました(笑)。スピードや身体能力でガツガツ来られるよりも、プジョルのように駆け引き、間合いの取り方がうまいDFのほうが嫌でしたね。
【一番イライラさせられた】 4位:イリアン・ストヤノフ(元ジェフユナイテッド千葉、サンフレッチェ広島ほか) ストヤノフは彼がサンフレッチェ広島時代に対戦したんですけど、一番イライラさせられて、一番やり合った選手でしたね。 DFとしてはあまりゴツくもなくて、スラっとしていて、スピードはなかった。でもその分、プジョルのように駆け引きがうまいんですよね。 彼がボールを持った時に僕がプレスをかけにいったら、スッとドリブルで持ち上がって逆を取られてかわされたんですよ。その時に「あ、この人はサッカー知っているな」と思いました。そのあとも簡単には蹴らずに、うまく味方につなげるだけの足元の技術もある。 こっちがボールを持ったら一発目に削る。一発目はなかなか主審もイエローカードを出さないと、わかっているんですよね。それで最初にドーンと削ってこられると、FWはまた来るんじゃないかと怖くなる。それでビビってトラップをミスすることが多かったです。 性格的にも激しくて、ガンガン来るし、相手をイライラさせるやり方も知っているんですよ。当時、彼は日本語を話せなかったんですけど、口でも結構言い合っていましたね。経験もあるので、ついこっちも乗せられてしまうことは多かったです。 ただ、こっちもやられる前に削りに行くこともあったし、そこはどっちが先にやるかという駆け引きもありました。日本人選手でそういうことができる人はなかなかいないので、本当に嫌なDFでした。