「何の感情も抱かない」底辺校の生徒たちの異変 東海地方で30年働く先生が語ったこと(第1回)
現在の生徒について「自分の人生を生きているという感覚が薄い」と語る鈴木先生。 そうした生徒たちは、学校を辞めてしまうことにも、あまりためらいがないようです。さらには、「当たり前のようにとんでもない言葉を使うようになった」と鈴木先生は語ります。 「(最近の生徒は)『死ぬからいい』って言うんですよ。『お前、このままでどうするんだ?』と言うと、『もしどうしようもなくなったら、死ねばいいんじゃないですか?』なんて大真面目に私たちに言ってくるんです。
それも複数人。簡単にそんなことを言うんじゃない、と思うんですがね。でも、死ぬことも生きることも、彼ら・彼女たちにとってはそれくらい、実感の薄いことになってしまっているのかな、と思います。本当にやり切れないですね」 生まれたときからゲームやインターネットが普及し、「親ガチャ」と呼ばれるような、人生をゲームとして捉える言葉も流行し、「人生をリセットする」感覚がある世代だからこそ、自身の人生を生きている実感が薄れているのかもしれない、と取材を通じて実感しました。
次回の連載では、引き続き鈴木先生に、生徒の変化に大きく関わる親側の変化について、深く掘り下げて聞いていきます。
濱井 正吾 :教育系ライター