ソラナが対イーサリアムで史上最高値を更新──ビットコインより回復が早い
暗号資産市場は7日も、5日月曜日の安値からの反発が続いている。最も力強く反発したのはソラナ(SOL)だった。 CoinGeckoのデータでは、ソラナはイーサリアム(ETH)に対して相対的に急上昇しており、SOL/ETHは史上最高値の0.062に達した。過去24時間では7.5%、過去1週間では13.6%上昇している。イーサリアムはビットコイン(BTC)に対しても3年ぶりの安値に沈んでおり、米証券取引委員会(SEC)が5月にイーサリアム現物ETF(上場投資信託)を承認する意向を示したことが市場を驚かせて以来の相対的上昇が帳消しになり、そこからさらに下落している。 週末に起きた市場の混乱が含まれる1週間のスパンで見ると、ソラナは暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)を構成する主要暗号資産の中で最もパフォーマンスが良く、約11%の下落にとどまった。一方、ビットコインとイーサリアムはそれぞれ14%、25%下落した。 K33リサーチ(K33 Research)のアナリスト、デビッド・ジマーマン(David Zimmerman)氏は7日のレポートで、「最近の大暴落後、ソラナやその関連コインのエコシステムは、特に他のアルトコインと比べると、まだ良好に見える」とし、「SOL/ETHは大暴落以来、史上最高値を更新し、SOL/BTCも堅調に見える。どちらも、大パニックの日にプラスで引けた」と指摘した。 英国を拠点とするデジタル資産投資会社Tagus Capitalは7日のマーケットアップデートで、「ソラナの回復力は主にその強力なファンダメンタルズによるものだ」とし、「プラットフォームの根底にある強さは、アクティブユーザーの増加、分散型取引所(DEX)での取引高の増加、エコシステム全体の拡大などの主要な指標に表れている」と説明した。 投資家が念頭に置くべき潜在的なリスクの1つは、マーケットメーカー大手のジャンプ・クリプト(Jump Crypto)がデジタル資産事業を閉鎖するという噂が渦巻いていることだとジマーマン氏は指摘した。ブロックチェーンデータの観測筋は、ジャンプ社に関連する暗号資産ウォレットが週末にイーサリアムを取引所に送金し、過去2週間で5億ドル(約725億円、1ドル145円換算)相当のイーサリアムのステーキングを解除したと指摘した。特に、ジャンプ社はソラナエコシステムの重要な初期支援者であり、ソラナネットワークの待望のアップグレード「ファイアダンサー(Firedancer)」の開発を主導してきた。 ジマーマン氏は、「不確実性にもかかわらず、ソラナは強さを示しており、物事を過度に複雑にする必要はない」とし、「ロングするものを探している場合、ソラナは明確に選択肢に入る」と述べた。 暗号資産調査会社デルフィ・デジタル(Delphi Digital)が今年行った予測では、この好調なパフォーマンスは今後も続く可能性があり、イーサリアムとの価格比率は80%上昇にあたる0.1を目指すとされている。 デルフィのリサーチアナリスト、マイケル・リンコ(Michael Rinko)氏は、「(私は)依然として0.1はあり得ると考えている」とし、「第4四半期にいくらか大きな出来事が必要になるが、可能性はある」とコメントした。 |翻訳・編集:林理南|画像:CoinDesk|原文:Solana Hits All-Time High Against Ether, Outperforms Bitcoin in Crypto Rebound
CoinDesk Japan 編集部