映画『レイブンズ』場面写真

　浅野忠信が主演、瀧内公美が共演するフランス、日本、スペイン、ベルギー合作映画『RAVENS』が、邦題『レイブンズ』として、2025年3月より全国公開されることが決定。本編スチールと写真作品「鴉」が解禁された。 【写真】浅野忠信が実在の天才写真家を演じる　『レイブンズ』場面写真 　浅野が演じたのは、伝説の天才写真家・深瀬昌久。実在の人物だ。カラスを執拗に撮り続けた代表作「鴉」（英：Ravens）は、日本の写真史にその名を刻み、世界的にも高い評価を受け続けている。深瀬は、天賦の才の一方で、心を閉ざし、闇を抱えていた。それは異形の＜鴉の化身＞として現れ、芸術家への道を容赦なく説く。深瀬の最愛の妻であり最強の被写体であった洋子の存在を犠牲にしても。 　浅野が演じる深瀬は、1974年に森山大道らとニューヨークMoMA“New Japanese Photography”展で作品を発表し絶賛を浴び、妻・洋子やカラスを被写体にした作品で一躍時代の寵児となるも、たびたび酒に溺れ、1992年転落事故で脳障害を負い、20年の闘病の末、2012年に亡くなった。近年、欧米を中心に再評価が進み、2023年東京都写真美術館で大回顧展が開催され、“セルフィーの先駆者”でもあるその世界観は、若い世代の熱狂も生んだ。本編では35㎜フィルム作品が多数、アルバムをめくるようつづられる。その説得力は凄まじく見るものの心を鷲づかみにする。 　妻の洋子役は、海外合作映画初挑戦となる瀧内公美。『由宇子の天秤』、大河ドラマ『光る君へ』（NHK総合）などの最旬実力派俳優だ。洋子は写真家である深瀬の被写体にとどまらず、夫を闇落ちから守る、パワフルな存在である。 　監督、脚本は、『イングランド・イズ・マイン　モリッシー、はじまりの物語』のマーク・ギル。1950年代の北海道、70年代のNY、2010年代東京まで、稀代のアーティスト、深瀬昌久の78年にわたる波乱万丈の人生を、実話とフィクションを織り交ぜて大胆に描いた。同時に、深瀬の暗部はダークでシュールな愛の迷宮へと姿を変え、独特なギル監督美学がさく裂する。 　ギル監督は、2015年深瀬昌久の作品に衝撃を受け、9年かけて映画化にこぎつけた。『デスノート』をはじめ、映画、漫画、小説など日本のカルチャーをこよなく愛するギル監督のビビッドな世界感が作り出した本作は、時空を超えた新たなミックスカルチャームービーの誕生といえるかもしれない。 　また、深瀬の希少な写真作品も劇中に多数映し出され、2023年の東京にて開催された回顧展で若者を魅了した衝撃的な破壊力を見せつける。 　今回解禁されたスチールは場面写真が4点、撮影風景（瀧内、ギル監督）の計5点。そしてタイトルでもある深瀬の傑作写真作品「鴉」（英：Ravens）より1点となる。 　映画『レイブンズ』は、2025年3月より全国公開。