米民主党、“お家芸”身内批判 ペロシ氏がバイデン氏に責任押しつけ
米民主党のペロシ元連邦下院議長は7日の米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、大統領選(5日投開票)での民主党のハリス副大統領の敗北について、バイデン大統領の選挙戦からの撤退が遅かったことと党候補指名争いを仕切り直さなかったことが原因だと指摘した。 党勢が陰ると身内を批判し出すのは民主党の“お家芸”だが、ペロシ氏も自身が当初はバイデン氏を擁護していたことを棚に上げて、責任を押しつけた形だ。 ペロシ氏は「バイデン大統領がもっと早期に選挙戦から撤退していれば、(ハリス氏以外の)他の候補が党候補争いに参戦していたかもしれない。しかし、バイデン氏が撤退時にハリス氏を後継に推したことで、党候補争いをやり直すことがほぼ不可能になった。もっと早い時期なら状況は違っただろう」と語った。 一方、民主党系無所属のサンダース連邦上院議員が「民主党は労働者階級の人々を見捨てた」と批判したことに対して、「サンダース氏は(過去の大統領選の党候補指名争いで)勝っていない。彼のことを尊重するが、民主党が労働者階級の家族を見捨てたというのは受け入れがたい」と語った。 ペロシ氏は今回の大統領選で、当初はバイデン氏の再選を支持。党候補争いでは相手が現職大統領でも立候補は可能だが、ペロシ氏ら党有力者が「党内の内紛」を封じ込めたことで、高齢不安を抱えるバイデン氏に有力な対抗馬が現れなかった。ところが、6月の討論会後にバイデン氏への高齢批判が高まると、水面下で撤退圧力を加えた。 ペロシ氏は当時、党候補争いをやり直すべきだとの考えだった。しかし、ペロシ氏に反発するバイデン氏は、ハリス氏を後継に推すと明言し、そうした動きを逆に封じた。【ワシントン秋山信一】