核弾頭は外したが、実戦発射された史上初のICBM…ロシア「確認不可」
ロシアがウクライナに向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したと、ウクライナ軍が発表した。ウクライナが西側から供与された長距離ミサイルでロシア領土を連日打撃した翌日に起きたことで、ICBMの発射が事実と確認されれば、史上初のICBMの実戦使用となる。 ウクライナ空軍は21日(現地時間)、テレグラムのチャンネルを通じて「この日午前5~7時、ロシア軍がアストラハン州(ウクライナ中部)からドニプロ地域に向けてICBMを発射した」と発表した。核弾頭は搭載されていないものとみられる。AFP通信はウクライナ空軍関係者の話として、「核弾頭が搭載されていないことは明白だ」と報じた。ICBMは主に核弾頭を搭載して遠い距離にある目標物を打撃する時に使うが、通常弾頭を装着して運用することもできる。ウクライナ空軍は、どのようなICBMなのか、このミサイルでどのような被害が生じたのかについては明確に言及しなかった。 国連軍縮研究所のアンドレイ・バクリツキー上級研究員は「事実ならICBMが初めて軍事的に使われた事例になるだろう」とし、「価格と精度を考えると、戦略的にはあまり合理的ではない」と述べた。 ウクライナ空軍は「その他キンザルミサイルKh-47M2(極超音速)と巡航ミサイルKh-101の7発がそれぞれドニプロ地域の施設と主要インフラを攻撃した」とし、「ウクライナ空軍防空部隊はKh-101ミサイル6発を撃墜し、残りのミサイルは特に深刻な被害を与えなかった」と発表した。さらに「これまで死傷者と負傷者に対する情報は報告されていない」と付け加えた。RIAノーボスチ通信によると、クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は、発射の有無を確認できるかという質問に、「できない」とし「軍に連絡することを勧める。この件について言えることは何もない」と答えた。米CBSニュースは匿名の西側高官の話として、「今回の攻撃でICBMは使われていない」と報道した。 キム・ウォンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )