窪田正孝の笑顔がズルい…"藤竹"の予想を超えた胸アツ展開とは? NHKドラマ『宙わたる教室』第6話考察レビュー
窪田正孝主演のNHKドラマ『宙わたる教室』が放送中。実話に着想を得て生まれた小説を実写化した本作は、さまざまな事情を抱えた生徒たちが集まる定時制高校に、謎めいた理科教師の藤竹が赴任してくる。今回は、第6話のレビューをお届け。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】窪田正孝の笑顔がズルすぎる…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『宙わたる教室』劇中カット一覧
火星の重力を地球上で再現できる?
学会発表に向けて研究テーマが「火星のクレーター」に定まった科学部だったが、火星の環境を再現するのは並大抵のことではない。まず、気温が違う。気圧が違う。そして、重力が違う。 岳人(小林虎之介)は早々に重力を近づけることを諦めようとするが、藤竹(窪田正孝)がなぜ外すのか?と口を挟んだ。 重力が違う状態なんて想像もつかないと思ったが、藤竹は、普段からいろんな重力を体感しているはずだとニヤリ顔。生徒たちが考えることが嬉しいとでも言いたげな、ちょっと憎たらしくもワクワクする笑顔で岳人たちを眺める。窪田正孝のこの表情、ずるい。 長嶺(イッセー尾形)の技術もあって、科学部は滑車を用いた重力可変装置を完成させる。これがあれば、ほんの数秒間だけ重力を火星と同じ状態にできるという。だが、この装置を設置するには、物理準備室では高さが足りない。そこで藤竹は、天井の板を外すことができるコンピューター室に目を付けた。
岳人(小林虎之介)とコンピューター部・丹羽(南出凌嘉)の共通点
そこはコンピューター部に所属し、情報オリンピックへの出場経験もある秀才・丹羽(南出凌嘉)がコーディングのスキルを磨くべく、日々作業に使用している部屋だった。藤竹が実験に使いたいと言っても首を縦に振らない。 丹羽が普段の授業で使っている席がたまたま岳人と同じだったことから、奇妙な文通がはじまり直接顔を合わせることになるのだが、岳人が丁寧に実験の説明をしても、部屋を貸そうとはしなかった。 だが、2人には大きな共通点がある。岳人は学会発表、丹羽は情報オリンピックという夢中になれる目標を持っている。 しかもそれは、岳人は自身が抱える学習障害の可能性に気付かず1度勉強を投げ出した過去が、丹羽は本来の実力から比べたらはるかに低い高校に通っているという、自分にとってある種のコンプレックスを跳ね返すための目標だ。 岳人と丹羽の交流がはじまったのは藤竹も意図しなかったことではあるが、必要以上に介入しなかったのは、2人ならわかりあえるはずだと考えていたからなのかもしれない。なにより、岳人のことを信頼していたから――。 前話で科学コンクールへの出場が認められないことに声を荒げた藤竹の思いは、きちんと岳人に通じていたことがわかったのも、胸アツの展開だった。