大一番に向け調整が進むアマンテビアンコ＝美浦トレセン（撮影・塩浦孝明）

２４日の羽田盃で開幕する３歳ダート３冠に注目する短期連載『新時代　３歳ダート３冠』。後編では改革元年の主役候補を紹介する。ＪＲＡ勢では白毛の新たなスター候補アマンテビアンコが登場。地方勢では、京浜盃５着のティントレットが強豪を迎え撃つ。 日本のダート３冠競走〝元年〟を飾るにふさわしい純白ホースが、１冠目・羽田盃に登場する。白毛馬アマンテビアンコ（美・宮田、牡）は２月の雲取賞で２着に入り優先出走権を獲得。ＪＲＡ所属馬に４頭分しかない激しい争いをくぐり抜けた。 「前走はスタートでつまずきましたし、勝負どころでの手応えも悪かった中で、諦めずに走り切ってくれての２着。スタミナと根性を感じましたし、見ていてすごいなと驚きました。（同じ）大井の１８００メートルを経験できたのも大きいです」 宮田調教師が若馬らしからぬアマンテの精神面の強さに驚く。雲取賞はスタート直後、顔が地面に付いたかと思うくらい大きくつまずく不利。苦しい競馬になるかと思われたが、すぐに態勢を立て直して中団に取りつき、何とか勝負圏内をキープして迎えた直線では、逃げ切ったブルーサンに力強く迫った。 今回は主戦のルメール騎手が落馬負傷により乗れないが、川田騎手を配して万全の態勢を敷く。「奥手だと思いますが、ポテンシャルは高い。白毛で馬格もあって目立つし将来が楽しみ。もしタイトルを取れればこんな光栄なことはないです」とトレーナー。近親にＧⅠ３勝馬ソダシがいる白毛一族のニューヒーローが、白毛馬初のダートＧⅠ級制覇へ躍動する。 迎え撃つ地元の南関東勢は京浜盃を７馬身差で圧勝したサントノーレが骨折でリタイアしたが、同じ大井・荒山勝厩舎が送り込むティントレット（牡）に注目だ。荒山勝調教師は「京浜盃（５着）はすごくいい手応えで４コーナーを回ってきたけど、追い出されたらレースをやめてしまった。繊細な部分がある馬だから、急にゴーサインを出されたことが影響したのかな。今回は少しずつ加速させるイメージで乗ってもらおうと思っている。力を出し切ってほしい」と大一番での逆襲へ力を込めた。 ２４日夜、大井でダート新時代が幕を開ける。（おわり）