機内からの緊急脱出、そのとき盲導犬は? #みんなのギモン
日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故のあと、日本テレビの情報提供サイトにこのような投稿がありました。 「飛行機の緊急脱出時に補助犬の扱いについて周知されておらず、いざというときに周囲から反対される可能性もあって不安があります」 羽田空港での事故の際に荷物扱いで預けられたペットの命が失われたことをめぐり、SNS上で意見が飛び交っていますが、盲導犬や介助犬など身体障害者の補助犬の場合にはどうなるのでしょうか。じつはあまり知られていない緊急時の対応、取材しました。(報道局 調査報道班 小野 高弘)
■機内には同伴、でも・・・
投稿者は、母親が盲導犬ユーザーだという大阪府の女性。航空機から緊急脱出する際に犬とともに行動することに周囲の乗客から理解が得られないのではないかと心配していました。 日本の航空会社は一部を除き、犬などのペットの機内持ち込みはできず、航空会社が定めたルールに従ってケージに入れ貨物室での預かりとするのがルールです。緊急脱出時にも連れ出すことはできません。 一方で盲導犬や介助犬など認定された補助犬は、公共交通機関をはじめさまざまな場所で受け入れるよう身体障害者補助犬法で定められています。 全日空や日本航空など日本の航空会社では、補助犬について「条件を満たす限り機内に同行いただけます」と公式ホームページで明記し、中型以上の犬は機内では床に伏せた状態で搭乗することなどを案内しています。 その一方で、緊急脱出時の対応については記されていません。方針はあるのでしょうか?全日空に聞いてみると。 全日空広報部 「緊急脱出時は人命優先の対応が求められますが、状況が許せば、盲導犬を含め機内同伴が認められている補助犬については、お客様と同様に脱出させることを想定しています」 また、補助犬とは話が異なりますが、障害者などが杖を持たなくては歩けない場合の杖について全日空は「緊急脱出時には杖はご使用になられないようお伝えをしております。理由としては安全上の観点からです。なお、車いすユーザーなど単独での歩行が難しいお客様については、付添者の方にサポートをお願いする等しております(手を引いて移動する、おんぶして脱出する、スライドを一緒に滑るなど)」とのことでした。