太陽光パネルのリサイクル業者「採算とれない」…国や自治体、大量廃棄に備え体制構築急ぐ
環境省幹部は「環境に優しい太陽光発電を推進しても、パネルがごみになってしまえば、元も子もない」と話す。
住民向けに費用補助
独自の取り組みを始めた自治体も増えている。
来年4月から全国で初めて新築戸建て住宅の太陽光パネル設置を義務づける東京都では、住民向けにリサイクルにかかる費用を一部補助している。福島県は今年夏から、事業者を対象にリサイクル費用を補助する事業を始めた。
福岡県は21年から、パネルの回収業者やリサイクル業者のために、発電事業者からのパネル廃棄の要望や回収予定日の情報を専用サイトで共有する取り組みを行っている。回収の効率化で運送コストの節約になっているという。県循環型社会推進課の高木宣弘係長は、「リサイクル業者が採算がとれるように、将来的には九州全域から多くの太陽光パネルを回収する体制を整えたい」と話している。