【リニア】部分開業めぐり「バトル」…かみ合わない議論 静岡・川勝知事「私には考えがある」
リニア問題の部分開業を巡り、JR東海と静岡県の川勝平太知事の間で論争が激しくなっています。双方の考えていることとは…。
川勝知事「(走れるのに)営業しないんですか」
静岡・川勝平太知事(29日):「名古屋までも部分開業なんですね。それを全線開通するまでにどういう工程で、このリニア工事を進めていくということは、今、誰も分からなくなりました」 29日の川勝知事の定例会見。リニアに関する見解について、「部分開業」という言葉を強調しました。 静岡・川勝平太知事(29日):「2027年までには南アルプスは出来ないと言っているわけだが、それ以外のところができるということ。そうすると、実験線が一番近い駅2つということもあるし、それから甲府から品川まで、これもできているってことだから、じゃあ、それを営業しないんですかと言うことは、かなり疑問出てくる」
品川から名古屋までを「2027年以降」に開業するリニア計画。当初の「2027年」から開業時期の表現が改められたことで今、静岡県とJR東海との間に大きな溝が生まれているのです。
JR「困惑している」
JR東海 木村中専務執行役員(24日 静岡市):「当社が進める中央新幹線について、静岡県知事のほうから様々な発言があって、いささか誤解がある、私どもは大変困惑をしている状況」 先週、異例の記者説明会を開き、「困惑している」と表現したJR東海。その根本にあるのが、リニアの開業時期をめぐるこの「部分開業論争」なのです。
JR東海 丹羽俊介社長(18日):「部分開業については従前から申し上げている通り、これを行う考えはございません。仮に限定的な区間だけ開業する場合があっても、車両基地や指令設備の整備など、開業のための多くの設備をセットで完成させる必要があったり、試運転や運営体制をはじめ、確認すべきことが数多くある」
川勝知事「甲府から品川までサービスしたらいいのでは」
これまでJR東海が頑なに否定してきた“部分開業”。これに対し、川勝知事は29日の会見で疑問を投げかけたのです。 静岡・川勝平太知事(29日):「なぜ2027年以降であるかの説明が、静岡工区が遅れているためだということだったので、言い換えると2027年までに東京から山梨まで、また長野から愛知までは完成できるということ。しかし、それは使わないと。なぜかというと、名古屋までつながっていないから。どう考えますかね? ですから、考え方によっては、甲府から品川までサービスしたらいいのではという意見が出てくるのもありえる」 つまり、静岡を挟んで東西のエリアではリニアが運行できる状態になるため、だったら営業すれば良いというのが川勝知事の考え方です。