富山競輪、伸びる車券売り上げ 23年ぶり250億円超えか ネット投票が好調維持 当初見込み43億円上回る
富山競輪の今年度の車券売り上げが、当初の見込みを43億円余り上回り、約262億円に上る見通しとなった。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要で売り上げが伸びた2020年度以降、インターネット投票が好調を維持しており、250億円を超えれば2001年度以来、23年ぶりとなる。収益の増加により、富山市の事業の財源となる一般会計繰出金も増える見込みで、市はファンの定着、拡大に力を注ぐ。 車券売り上げの伸びに伴い払戻金や場外販売委託料なども増加するため、市は28日に発表した競輪事業特別会計の補正予算案に43億3341万円を計上した。一般会計繰出金は当初の1億6千万円から2千万円増の1億8千万円とした。 市公営競技事務所によると、今年度の車券売り上げは当初、トップ選手が集結する「全プロ記念競輪」が富山で初開催された昨年度を下回ると見込んでいた。 ところが4月の今季開幕戦F1シリーズ「西日本カップ」、新人選手が出場した5月の「ルーキーシリーズ」とも売り上げが好調。担当者は「突出したものはないが、全体的に見込みを上回る売り上げが続いている」と話す。 富山競輪の車券売り上げはコロナ前の19年度は94億円だったが、20年度は139億円に伸び、22年度は230億円で01年度以来の200億円台に乗った。昨年度は238億円とさらに増加し、2年連続で一般会計に2億円を繰り出した。好調を支えるのが民間ポータルサイトのネット投票で、近年は売り上げ全体の約6割を占める。 富山競輪では関心を広げようと、競輪選手による親子向け教室などイベントを積極的に開催し、来場を促している。今年度はレースなどを映すモニターを更新し、一部を大型化する。 担当者は「コロナ禍で競輪を始めた人の一定数が新規ファンとして定着してくれているのではないか」と語り、今後も魅力を発信していくとした。