バナナそっくり…民家の庭で17年ぶりに実が付いたのは 南国に駐留した戦友から父に届いた植物、大切に育て続けた息子の努力も”結実”
父が他界した後も…
長野県佐久市桑山の会社員布下甚平(じんぺい)さん(69)宅の庭先で、バナナの仲間「バショウ」が17年ぶりに花や実を付けた。2009年に87歳で亡くなった父成三郎さんが戦友から譲り受けて育てていたもので、最後に結実が確認されたのは07年。父から受け継いで以降は初めてとなる花と実に、甚平さんは「期待して育ててきたのでうれしい」と喜んでいる。 【写真】大きな南国風の葉っぱ
庭先には約30本の茎が伸び、花と実が付いたのはうち2本。知人がバショウの葉を刈っていた10月初旬、高さ約4メートルの位置の花と実に気付いた。茎の先端にブラシのような花が開き、その付け根にバナナに似た実がなっていた。
冬はわらとブルーシートを使って保温
太平洋戦争でフィリピンに駐留した成三郎さんの戦友が40年程前、「南方の記念に」と苗を届けてくれたという。甚平さんも冬場は根元をわらとブルーシートで覆って保温するなど大切に育ててきた。
今年の気候が影響した?
17年ぶりの開花と結実について、さまざまな熱帯植物を育てている熱川バナナワニ園(静岡県)の学芸員清水秀男さんは「実を結ぶこと自体珍しいが、今年はあちこちで報告を聞く。暖冬や猛暑が影響したのではないか」と指摘。甚平さんは「やっと良い管理ができたのかな。観賞して楽しみたい」と話している。