タトゥーに憧れるけど「絶対に入れない」というZ世代のコスパ感覚 「就活や結婚に影響しそう」「入れる時より消す時にお金がかかる」
近年、タトゥーを隠さずSNSにアップするアーティストやYouTuberが増えている。たとえば、シンガーソングライターの優里が、自身の右腕に入ったタトゥーの写真をSNSにアップ。また『推しの子』の主題歌などで人気のYOASOBI・Aayaseも、全身に彫られたタトゥーを公開。男性だけでなく、最近では「LE SSERAFIM」の宮脇咲良など、女性アイドルがタトゥーを公開する機会も増えており、だんだんと日本でもネガティブなイメージが払拭されつつあるのかもしれない。 【写真】右肩にちらりと見えるタトゥー 「LE SSERAFIM」宮脇咲良の後ろ姿。右腕のタトゥーを見せるシンガーソングライター・優里も
一方、Z世代の若者たちに話を聞くと、かたくなに「自分には入れたくない」という声も根強い。その理由を尋ねると、タトゥーのイメージとは別に“コスパ感覚”も関係しているようだ。
ラッパーに憧れているが「就活に響きそう、将来の結婚に影響しそう」
都内の私立大学に通っている男性・Aさん(21歳)はヒップホップ系の音楽を愛聴し、全身にタトゥーを入れたラッパーに憧れている。しかし、自分自身は「絶対に入れることはない」と話す。 「もちろん憧れはありますよ、ラッパーは基本的にタトゥーまみれなので。僕はアーティスト側の人間がタトゥーを入れるのは全肯定ですし、カッコイイと思う。でもそれは舞台に立つ側、それで生きていくっていう覚悟の現れでもある。僕のような、普通に大学に通って就活している一般人からすると、入れるメリットって本当にない。 タトゥーがバレて内定取り消しになったという話も聞いたことがあるし、いずれ結婚したいと思った時に、相手の家族にタトゥーが理由で拒否されるかもしれない。今の時代は、景気も不透明だし、就職が失敗したら結婚だってできるか不安です。結局、『好きなことで生きていく』というのは理想だけど、現実を考えると将来的なリスクになることは選択できません」(Aさん)
入れたいけど…「将来的にお金がかかることはやめよう」
別の私立大学に通う女性・Bさん(20歳)は、タトゥーを入れているK-POPアイドルやファッションアイコンが「推し」だと言い、自分も中学生の頃からタトゥーに強い関心があるという。そんな彼女がタトゥーを入れない理由は、「入れるときよりも、消すときにコストがかかるから」だと話す。 「私が憧れているのは、ガーリーなデザインのファッションタトゥーです。宮脇咲良さんやTWICEのチェヨンさんのように、繊細で可愛いデザインのものを入れたいと思っています。入れたいという気持ちは強く、SNSでもタトゥーの画像をしょっちゅう検索しているのですが、最終的に入れないのはコスパが悪いから。 タトゥーは入れるときよりも、レーザーで消すときの方がお金がかかる。また傷跡も少し残ります。若気の至りでたくさんタトゥーを入れてしまい、いざ30代になって結婚、出産、育児となったときに『消したい』と思っても遅い。そうなったときに、結局、医療機関でタトゥー除去をするとなると、出費がかさみます。節約したり、投資をしたりしないといけない今の時代に、将来的にお金がかかることはやめようと自分を律しているんです」(Bさん) 近年、日本でも「ファッションの一部」としてタトゥーを受け入れるムードも醸成されつつあるが、「他人のタトゥーには好意的」な若者世代の中にも、いざ自分自身の就職や結婚、将来の金銭的コストを考えるとコスパが悪く、「自分には入れない」と決断している人は少なくないようだ。