元NGT48・西村菜那子「真ん中にいる私をファンの方にお届けしたい」、駅伝に詳しすぎるアイドルからWEBマガジン編集長に
NGT48を2022年に卒業した西村菜那子。現役アイドル時代から「駅伝に詳しすぎるアイドル」として知られ、卒業した現在は「#西村駅伝」というWEBマガジンを立ち上げて、高校陸上の情報を発信するなど現在も駅伝特化型の活動を続けている。正月の箱根駅伝が迫る今、なぜ駅伝に拘り続けるのかをはじめ、アイドルを卒業した後の1年や、駅伝タレントとして知られるようになった経緯を語ってもらった。 【写真】アイドルスマイルをカメラに向ける西村菜那子 ■駅伝に詳しすぎるアイドルからWEBマガジン編集長に ――西村さんの今の活動について教えてください。 今は、メインでやってるのは、 駅伝関係のお仕事で、駅伝の番組があれば副音声や、youtube配信にも出演させていただいてます。また「4years.」という大学スポーツメディアで、駅伝の連載をもう4年くらい続けています。2年前からは、駅伝好きが集う「#西村駅伝」というイベントをやっていたんですが、2023年の3月から同名のWEBマガジンを立ち上げました。ここでは箱根駅伝をこれから走るであろう高校生のランナーを密着してまして、いろんな高校に取材をさせていただいています。インタビュー動画はスタッフさんに編集していただき、掲載される記事の文章は全て私が書いています。 ――記者兼編集長のようなことですね。 大袈裟ですけど、文章を書く仕事は、陸上の連載で以前からいくつかやらせていただいたので、その延長という感じです。駅伝関係以外のお仕事ですと、舞台によく出演させていただいています。特に最近はコメディ作品が多いです。なるべくファンの方も一緒に楽しめるような舞台に出たくて、自然にコメディ作品を選ぶことが多くなりました。また、地元長野県の情報番組などにも出演させていただいています。 ――アイドルを卒業されて芝居の道に進む方が多い中、西村さんは現役時代から駅伝特化型だったんですね。 本音を言うと、私もいろいろな番組に出たい気持ちはあります。今自分ができることを一生懸命やり、その先にテレビ番組のお仕事があれば嬉しいです。お話することが好きなので、テレビ番組の出演が1番やりたいことですね。 ■アイドル卒業後、自分のやりたいことがより明確になった ――2022年9月にアイドル(NGT48)を卒業して1年以上経ちましたが、ファンとの交 流の場は今はありますか? NGT48の時と変わらないぐらいファンの方と交流する場が今もあります!そのため、よくファンの方には「卒業した感じがしない」って言われるんです。舞台もそうですし、事務所でやっているイベントのMCを私がやったり、オンライントーク会をやったり、SNSの頻度も減らさないようにしています。ファンの方には(NGT48の)劇場公演に出てないだけでまだグループに在籍してるって錯覚することがあるそうです(笑) ――いい卒業の仕方かもしれないですね。卒業してからの今まではどのような期間でしたか? 『自分の本当にやりたいことが明確になった1年』だったなと思っています。NGT48にいた時も、舞台や、駅伝関係などいわゆる“外仕事”をよくさせていただいてたメンバーなんですけれど、そのときは自分が得意不得意関係なく、がむしゃらに頑張れていたんです。それはなぜかと言うと、「外仕事で結果を出せば、NGT48の中での私の評価も上がる!」と勝手に思っていたからです。 「この外仕事を頑張れば選抜に残れるかも」 「これをやれば良いポジションにいけるかも」 と自分を鼓舞していました。 そのため、これまでコンスタントに落語の舞台作品に出ていたんですが、グループ卒業して1発目に落語の稽古が始まったとき、心が空っぽになってしまったというか、どんなモチベーションでやればいいかわからなくなってしまった自分がいたのです。 そこで「あ、私はNGT48という大きなモチベーションがあったから、苦手意識がある仕事も頑張れていたんだ」と気付きました。その落語は、ありがたいことにファンの方から「チケット買ったよ」という報告や、「頑張ってね」とコメントを頂き、〝ファンの方が見に来てくださる〟というモチベーションのもと、一生懸命に取り組むことができ、なんとか乗り越えることができました。 ――明確になった「やりたいこと」「得意なこと」は? やっぱり駅伝関係のお仕事ですね。駅伝が好きなアイドルさんって、何人かいらっしゃるんですけど、存在としては希少じゃないですか。最初は「駅伝について話せるタレントがいないから私を呼んでいただいているだけのかな」と、消極的な自分がいたんですが、卒業してから、駅伝のメディアさんが私を起用してくれた理由などを話してくださって、駅伝がいつのまにか自分の武器になっていたことにようやく気づいたんです。それまでは好きでやっていただけで、自分がどこまで通用してるのかわかってなかったんですが、しっかり陸上界の方達に自分の存在知っていただいていたと思うと、すごく嬉しかったです。 ■やりたいことが言えて、自分らしい活動ができている ――自分らしいスタンスでお仕事に向き合うことができるようになったと。 はい。その気付きをきっかけに、苦手不得意を考え、出演する舞台の作品はマネージャーさんとすごく話すようになりました。「卒業してよかった」って言い方もおかしいですけど、卒業したタイミングに関しては、自分の中でのベストタイミングだったなと思っています。けれど、やっぱり48グループってすっごく恵まれているんですよね。毎回当たり前のようにメイクさんがいて、毎回絶対現場にはスタッフさんがついてくれて、48という肩書きがあらゆることを支えてくれていました。今でもNGT時代のスタッフさんに心から感謝しています。 ソロタレントとして活動して苦戦することもありましたが、私は今も幸せです。つい先日、駅伝のお仕事で「今までは(48という大きなグループにいたからこそ)西村さんにこれをオファーしていいのかわからなくて声かけられなかった」っていうメディアさんがいらっしゃったのですが、実はこれよく言われることなんです。今は卒業してある意味オファーのハードルってすごく低くなったと思うんですね。そういった意味で、お仕事の幅は確実に広がりましたし、これからもNGT48という古巣に感謝しながら、ソロでの活動に励んでいけたらと思います。 ――アイドル時代の自分に感謝をしつつ、新しいことにも自分の考えで挑戦できるような環境になったんですね。 そうですね。私はNGT48では結構年上のメンバーでしたし、キャラ的にもスタッフさんにあまり、やりたいことなど物事をストレートに伝えるのが苦手なタイプでした。当時メンバーが30人ほどに対してマネージャーさんも4、5人でしたので…。自分に時間を使ってもらうのが申し訳ないなって思っていました。自分で言うのもなんですが、ある意味“手のかからない子”だったかもしれません。 ですが、言いたいことが思うように言えなかったことがアイドル時代の心残りでした。なので、卒業した後の事務所はちゃんと私が意見を言える、言いやすい環境にある事務所に入りたいって思ったんですね。そこで選んだのは、今の所属事務所、ILLUMINUSにあるマネジメント部署のCANVASです。 ――西村さんはインタビューの受け答えも大人でしっかりしていますね。ガツガツしていないというか…手のかからない子というのも納得ですね。 それ、柏原竜二さん(東洋大学OB/箱根駅伝2代目・山の神/富士通企業スポーツ推進室)にも言われたことがあります。「もっとガツガツしていいんだよ、アイドルなんだから、ゲストに話振ってばっかじゃなくて、自分も目立っていいんだよ」って言われたことがあって。 ――西村さんが注目されることで、駅伝にも注目が集まる側面もあると思うと、それは正しいかもしれないですね。 タレントとしては本当良くないところだなって思うんですけど、でも、今はもうかなり克服していろんなことを周りの方に言えるようになりました。言いすぎてるかもしれないです(笑)。この前もマネージャ―さんと事務所で4時間ぐらい話してました(笑) ■現在も、“真ん中にいる私”をファンの方にお届けしたい ――そんな西村さんの今後の活動は? 近々ですとら2024年1月31日(水)~2月4日(日)に主演舞台、咲女花劇「散る君、うららと舞い上がり、」で主演を務めさせていただきます!ぜひチェックしてください。 ――さきほど、落語が苦手だったみたいな話もありましたが、これはコメディ作品になるのでしょうか。 はい、実はこちらもコメディで、コント作品なんです。私は少しストレートプレイの舞台に苦手意識があることに気づいたので最近はもっぱらコメディばかりやってますね(笑)。もちろん、機会があればまたストレートプレイのお芝居もチャレンジはしたいですが。とにかくステージに立つことは続けていきたいです。NGT48にいた時、私は選抜にいても3列目にいるくらいの立ち位置でした。そのためファンの方は後ろにいる私のことを、一生懸命探してくれていたんです。だからこそ、卒業してからの舞台はなるべく前にいる私をファンの方に見てほしい気持ちがあります。 なので今回主演をする話が上がったときは本当に嬉しかったです。アイドルで言うと主演はセンターポジション。アイドルの時は見せられなかった「真ん中にいる私」をファンの方にお届けしたいです。