「“高橋藍の兄”だからサントリーに入れた…とか」“最強の弟”をもつ兄の葛藤…高橋塁が初めて明かす胸の内「それでも僕にはやる選択肢しかない」
「移籍」に留まらず、もはや「凱旋」というべきか。 日本体育大学在学中の2021年12月からイタリア・セリエAで3シーズンにわたってプレーしたバレーボール男子日本代表・高橋藍(22歳)は、今年7月からサントリーサンバーズに所属することを発表した。 【秘蔵写真】こんな高橋藍、見たことある?「バレー始めたばかりの貴重な兄弟写真」「兄のサプライズに照れる藍さん」「みんな見てるのにバボちゃんとイチャイチャ」など“高橋藍のすべて”を写真で見る(100枚超) 今季はセリエA・モンツァでクラブ史上最高位となる準優勝に貢献。激闘から間もない5月頭に帰国すると、すぐに日本代表キックオフ会見、日体大の学位記授与式へ参加するなど多忙な日々を過ごした。話題が集まるネーションズリーグ開幕直前に、パリ五輪以降のシーズンは日本でプレーすることを表明している。 イタリアでの活躍が記憶に新しいこともあり、「まだ海外でプレーしたほうがいいのではないか」という声も飛び交うが、今季のVリーグを制したサントリーは昨年12月の世界クラブ選手権でも3位に入る快挙を達成した、紛れもなく日本のみならず世界に誇るべきチームだ。来季から新たに発足する「SVリーグ」の起爆剤としても活躍が期待されている。 さまざまな見解がある中、実は誰よりも高橋の入団を心待ちにしていた選手がいる。 2022年からサントリーに所属する兄の高橋塁だ。 「やっとまた藍とできるのは楽しみです。兄弟でバレー界を盛り上げよう、っていう思いはお互いずっと持ち続けているので」 屈託ない笑顔で嬉しそうに語りながら、「でも」と続ける。 「期待され続ける中で、ちゃんと結果を残し続ける。藍はほんまにすごいなって思いますよね。ぶっちゃけ、僕は全然、(周囲から)期待されていないな、って感じてきましたから」 運動神経は抜群ながら、面倒くさがり屋だった弟の藍をバレーボールに導いたのは2歳上の塁だった。 幼少期にテレビで見たバレーボールに魅了された塁は、ボールを持って毎日公園へ出かけた。見よう見まねでボールをパスする……その相手をさせられたのが弟の藍だった。 藍は塁に引っぱられるままバレーボールクラブに入り、その後も同じ中学、高校に進学した。東山高では「一緒に全国優勝を」という夢を果たすことはできなかったが、塁が卒業した2年後の2020年1月の春高バレーで主将になった藍は、「失セット0」という完全優勝を成し遂げた。 観客席にはOBとして声援を送る兄の姿があった。兄に向けて両手を掲げ、歓喜の涙を流す弟を笑顔で迎える。歩んできた兄弟の日々は“美しい物語”として報じられた。しかし兄の内心は、そこまで単純なものではなかった。 「嬉しい、悔しい、悲しい。藍が春高を勝って、今までと違うのは間違いない中で、ここからどうなるのかな、とか。2人でやってきたから、優勝したのは素直に嬉しいんですけど、でもあの時は、もっといろんな感情も込み上げて、自分の中ではすごく複雑でした。いろんな意味で、泣いていましたね」
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