門馬監督 創志学園で“聖地初星”マジック健在 選手に「飛ばないバット」意識させず10安打7得点
「選抜高校野球・1回戦、創志学園7-0別海」(20日、甲子園球場) 1回戦3試合が行われ、創志学園(岡山)は21世紀枠の別海(北海道)を7-0で快勝し、門馬敬治監督(54)が新天地での“甲子園初勝利”を飾った。山口瑛太投手(3年)は岡山県勢では65年優勝の平松政次(岡山東商)以来59年ぶり2人目となる2桁奪三振での完封を達成した。前年の優勝校・山梨学院(山梨)は京都外大西(京都)に7-1で勝ち、中央学院(千葉)は春夏通じて甲子園初出場の耐久(和歌山)を7-1で下した。 【写真】14奪三振で完封した山口 恩師へ大きな1勝をプレゼント 新天地での初勝利を門馬監督は「このユニホームで初めての甲子園。いろいろな思いがあった」とかみしめた。東海大相模で甲子園春夏通算30勝、計4度の優勝に導き2021年夏に退任。22年8月から率いる創志学園で臨んだ初戦は、百戦錬磨の“門馬マジック”で選手に暗示をかけた。 反発を抑えた新基準バットで10安打7得点。「初戦は相手じゃない。結果的に自分たちの力を出せないことが多いので準備してきた」と、走塁など普段通りの野球を徹底させた。バットに対する考え方も独特だ。8日の抽選会では「飛ばないバットと思うから面白くない。僕は一度も飛ばないと言ったことがない」と語っていた。先制犠飛の秦知也外野手(3年)も「監督から『飛ばない』という言葉は聞いたことはない。先でも当たれば本塁打になったことがある」と特別に意識せず打席に入る。自身公式戦最多の14奪三振で完封した山口瑛太投手(3年)は「どうしたら日本一を取れるかを知っている偉大な監督」と尊敬する。 強力な“援軍”もいる。東海大相模時代の教え子、阪神の森下や巨人の菅野と大城卓からジャージーが、創志学園OBの阪神・西純からはパーカが選手に届けられた。2回戦は昨年優勝の山梨学院。指揮官は「相手に動かされないように、自分たちが動ける準備をしたい」と表情を引き締めた。 ◆歴代14位タイ通算31勝目 創志学園の門馬監督は前任の東海大相模時代を含め、歴代14位タイの春夏通算31勝目を挙げた。春21勝、夏10勝で、春は浦和学院を率いた森士元監督の20勝を抜き、池田を率いた蔦文也元監督と帝京を率いた前田三夫元監督と並ぶ歴代8位。